Irodorinihana

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ぽたり

スーパーからの帰り道、私の手を1粒の雫がつたった。瞬きをすると、ぼやけていた視界が一気に開け、代わりに頬を湿らせる。

何も上手くいかない。そういう日は誰にだってあるし、自分独りが悲劇のヒロインぶったところで何も変わらない。

誰も助けてくれやしないし、誰かに弱音を吐いたところで、結局は自分で何とかするしか策はない。

そう思うと、途端に自分の孤独さが身に染みて、全てが自分を責め立てるような感覚に陥った。



結局、手に落ちたものが、涙なのか、はたまたこの状況を楽しんで振らせた、空の神様の涙なのかは、誰にも分からない。


今はただ、この雨が早く病むことわ祈るばかりだ。

9/28/2022, 1:11:05 AM