透明な羽
バサッ
透明な羽、
見えない羽。
目障りな羽。
ぐちゃっ、ぐち、ぐちっ、
引きちぎれた羽。
透明になった羽。
それでもあなたの背中には羽がある。
何故、ちぎっても、ちぎっても、
生やして、生やして、飛ぶことができる?
ぶちっ、ぐちゃっ、ぐちゃっ、
あの透明な羽が、
無くなるまで
ボクは引きちぎる。
とっくに落ちて腐ったボクの羽。
君の本物の羽だって腐ったのに。
何故か君にだけ生えている透明な羽。
ぐちゃっ
行かないでと、願ったのに
僕を撫でる貴方はいつも悲しい顔をしてた
大丈夫だよ!僕が守るからと思っているのに貴方は気づかない
貴方が帰ってきて直ぐに駆け寄る
その日はなんだかいつもの悲しい顔ではなかった
なにか、事切れたような、そんな…
僕は、僕の方が寿命が短いから
貴方が居なくなるところは見ないはずなのに
行かないでと、願ったのに
どうして?
僕が人間じゃないから
どんなに願おうとも言葉に出来ないから
理由は分かっていても、
もう撫でてくれる貴方は行ってしまった
秘密の標本
あの人は博識だ。
僕の知りたいこと全てを教えてくれる。
あの人は寛大だ。誰にでも優しい。
だからこんな僕を受け入れてくれた。
そんなあの人を壊したい。
綺麗なあの人が醜くなる所を見たい。
あの人の大事にしているもの。
僕にだけ教えてくれた秘密の標本。
珍しい蝶、カブトムシ、蜂…。
キラキラしていて宝石みたいだと、
あの人は目を輝かせて僕に話した。
僕はあの人の宝石達へと手を伸ばす。
あの人にしてやりたいように。
手足をちぎり、真っ二つにして中を覗いたり。
羽をむしり月明かりに照らす。
潰す、落とす、マッチで炙る、箱にぎちぎちと詰める。
秘密の標本、秘密にしたい理由は何なのだろう。
何故、僕には見せてくれたのだろう。
あの人はこれを、赤子を抱くように扱っていたな…。
ボクに話しかけるように扱っていたな…。
ボクは、宝石みたいだと、話しているのが聞こえたなぁ…
光と影
光って良いものだと思う?
僕はずっと影に憧れていた光。
影は悪いものさ、見向きもされない。
俺は影を蔑んできた影。
あいつはいつも眩しい白を放っている。
光は周りを消して輝き、未来の不安を隠し、希望を魅せる。
あの子は黒で道を作って地に足をつけている。
影は色んな色を取り込む、混ざって黒を産み、人を知る。
色々な人がいて、色々な色があるから黒くなる。
それって僕にはちょっと羨ましいことなんだ。
皆は影と支え合うから、影は黒くなれる。
光は誰の色も混ぜれない。
それが僕と君。光と影なんだよ。
そして、
みんな居なくなって、
人工物が崩れて、
自然が増えて、
生き物が増えて、
生態系が変わって、
山も、
海も、
空も、
僕も、
全て変わっていって、
そして、