光と影
光って良いものだと思う?
僕はずっと影に憧れていた光。
影は悪いものさ、見向きもされない。
俺は影を蔑んできた影。
あいつはいつも眩しい白を放っている。
光は周りを消して輝き、未来の不安を隠し、希望を魅せる。
あの子は黒で道を作って地に足をつけている。
影は色んな色を取り込む、混ざって黒を産み、人を知る。
色々な人がいて、色々な色があるから黒くなる。
それって僕にはちょっと羨ましいことなんだ。
皆は影と支え合うから、影は黒くなれる。
光は誰の色も混ぜれない。
それが僕と君。光と影なんだよ。
そして、
みんな居なくなって、
人工物が崩れて、
自然が増えて、
生き物が増えて、
生態系が変わって、
山も、
海も、
空も、
僕も、
全て変わっていって、
そして、
消えない焔
パチッ、パチパチ
きらきら、ちかちかと僕の目に焔の光が入る
貴方がこの姿になりたいと言ったんだ
ならば貴方が貴方の形を失う最後まで見たいと僕は言ったんだ
僕は貴方で無くなったものを手でかき集める
燃えきっていない貴方の破片を粉々に潰す
焔は消えない
もう、燃えるものなどないのに
いや、貴方は僕を待っているんですね
焔を消さず
僕が僕でいなくなるまで
この焔は消えないのだろう
あなた
僕は消えない焔を抱きしめた
終わらない問
なんで僕なの
共通の言葉で話せるのかも分からないのに
僕は目の前にいる狐の化け物に問う
頬まで上がった一本線の口
口を開けばきっと鋭い歯が見えるのだろう
あなたは何者なの
あなたの目的は何
あなたは僕を殺したいの
鋭い歯が見えた、狐が言う
お主ら人間は問を持つ
何かを知りたがる知的欲求がある
問え、問うんだ
私はそなたの問を聞きたい
私の答えはそれだけだ
分からない事が不安を煽る
狐はそれを知っているのか
こうやって人間を追い詰めて
人間を知ろうとしているのか
僕は最後まで問う
揺れる羽根
俺を置いて逃げるんだ。
この塔に取り残され、死を待てと。
お前は自由だ。
だから不自由になる。
俺はこの赤褐色の冷たく重い銃をお前に向けた。
許せなかった、自由なお前が。
軽い身体を支えていた大きな羽に風穴をあけた。
その穴の先に自分が見たかった、お前の飛んでいた空が見えた。
最後に、お前は俺を見た。
揺れる羽根と共に俺を見た。
今、俺はまだこの塔にいる。
手元にあるのはあの時の銃と、揺れる羽根。
白く柔らかな光を出していたあの羽根は、
銃と同じ赤褐色になってしまった。