揺れる羽根
俺を置いて逃げるんだ。
この塔に取り残され、死を待てと。
お前は自由だ。
だから不自由になる。
俺はこの赤褐色の冷たく重い銃をお前に向けた。
許せなかった、自由なお前が。
軽い身体を支えていた大きな羽に風穴をあけた。
その穴の先に自分が見たかった、お前の飛んでいた空が見えた。
最後に、お前は俺を見た。
揺れる羽根と共に俺を見た。
今、俺はまだこの塔にいる。
手元にあるのはあの時の銃と、揺れる羽根。
白く柔らかな光を出していたあの羽根は、
銃と同じ赤褐色になってしまった。
10/25/2025, 12:33:33 PM