8/20/2022, 11:13:44 AM
さよならを言う前に「またね」を言えば
またきっと会えるかな。
さよならを言う前に.
8/19/2022, 11:39:31 AM
「みてみてお姉ちゃん!今日の空、いちまつもようだよ」
「本当だ、珍しいね。ここ最近はいつも水玉模様だったのに」
人の生み出すものが増えた現代、
それを反映するかのように空に模様が映り始めた。
ある日は水玉模様だったり、ある日はチェック柄だったり。
人はそれを"空模様"と呼んでいた。
私が小学五年生のときから映り始めたが、これまでたくさんの模様を目にしてきた。今日はこんな模様だ、明日はどんな模様だろう。皆が口々に空模様のことを話す。
「ねえ、もようってこんなにたくさん種類があったんだね!」
妹の笑顔を見て自分も笑みをこぼす。
空模様は、きっと神様からの贈り物なのだろう。
空模様.
8/18/2022, 12:45:01 PM
鏡に手のひらを宛てがうと、ひんやりとしていた。
私の心のように冷たく鋭いそれは、
髪が乱れてニコリとも笑わない女の姿を映す。
一呼吸して問いかけた。
「あなたは誰?」
『誰?知らない』
返ってきたのは迷走した誰かの声だった。
鏡.
8/17/2022, 11:00:10 AM
扁桃体が悲鳴をあげていた。
どれだけ努力をしてもどれだけ逃げても、
私は私で変わらぬまま。
きっと一生涯この恐怖を抱えながら生きていくに違いないのだから、私は呪われているようなものだった。
いつまでも捨てられないもの.
8/16/2022, 11:05:34 AM
微笑みながらみんなに手を振るその誇らしげな表情が、
心に圧倒的な差を感じさせていた。
ランプを持つ手が震える。
しがないあたしは足元を照らすことしかできないのに、
さして気にしていないような顔で隣にいる彼女が気に食わなかった。
誇らしさ.