鏡に手のひらを宛てがうと、ひんやりとしていた。私の心のように冷たく鋭いそれは、髪が乱れてニコリとも笑わない女の姿を映す。一呼吸して問いかけた。「あなたは誰?」『誰?知らない』返ってきたのは迷走した誰かの声だった。鏡.
8/18/2022, 12:45:01 PM