ふと振り返ると
無数の足跡
私に沿った恋人の足跡
あの大きな足跡は父さんの
あれは野良猫 小さく、細い
1番濃いのは私
すべての足跡 思いの足跡
前を向いて、まっさらな地面へ
星座を考えた人ってすごいよね。
夜空を見上げて、「あの形はイヌみたいに見えるぞ!」とかやったのかな。かわいいね。
でも星座って変な形のときあるじゃん。蟹座とか。あれもう形とかじゃなく線だし。
予想だけど、補助線ってあったんじゃない?それを見ればちゃんとその星座に見える、みたいな。
そんな補助線、文明を経ることで見えなくなっちゃったんじゃないかな。オゾン層破壊といっしょにどんどん空が濃くなって、細かい星が見えなくなったとか。そんなだったらちょっと納得だよね。
なんだか頭がぼぅっとする
ぼくは起きたいけど、体は起きたくないみたい。
そうこうやっているうちに、やっと目が開く。
いつもと違う家。
たしかにぼくの家なんだけど、いつもよりぐんにゃりしてる。
ちょっとだけ、空気が違う。いつもおかあさんがいるからかな?
おかあさん、と呼んでみる。返事はない。もう一度呼んでみるが、やっぱり返事はない。
クラクラした頭でテーブルに向かうと、「かいものにいってきます」の書き置き。いまおかあさんいないのか。少し息をつくと、急に周りのものが暗く、静かに見えてくる。
ぼくは自然と静かになり、息を潜める。
平日のお昼。ぼくの家。
別れは突然であり、必然である。
生き物であろうがなかろうがやがて別れは来るし、それは誰にもわからない。なんなら出会っていない物事や人物の方が多いのだから、別れていない状態そのものが異常事態であり、特別なのかもしれない。
そう考えると、別れるというのは各人が普通の状態に戻る、と言える。
じゃあどこまでが「別れ」?
人は人に忘れられたとき、社会的に死んだと言える。でも最近は写真などの記録装置もあるし、忘れても思い出すこともあるだろう(そういえばリメンバー・ミーはそんな映画だったな)。人間が社会を形成している以上、完全に「別れる」というのは実はありえないことなのかもしれない。
そろそろ疲れてきた。じゃあね。
のぼる のぼる
ひとつひとつ
のぼる おちる
いっきにおちる
おちる おちて
またのぼる