誰かに肯定されたいと
涙が晴れた
雨上がり
お題:雨上がり
「足並みを揃えるなんて時間の無駄。二の足を踏む暇があるなら即行動」
空気の読み合いを足蹴にし、幼なじみは邁進する。
眩しくて、かっこよかった。
私と言えば、なかなか一歩が踏み出せない。躓いてばかりで、幼なじみの隣に並び立ちたいのに、走っても走っても追いつけない。
でも、始まりは、ただ隣にいたかっただけ。
「まって!」
幼なじみが振り返る。
「頑張るから、足引っ張らない様にするから!」
「……お好きに」
幼なじみは歩き出す。でも、その歩みはいつもよりゆったりとしていた。優しいな、そんな君だから大好きなんだ。
私は幼なじみに駆け寄ろうと、また走り出した。
お題:まって
「いいよ、だって気がおける仲だしね」
「ごめんねー、いつもありがと〜!」
国語のノートを差し出すと、クイーンビーは軽薄に礼を言って受け取った。私は次の授業の教科書を読むふりをして、内心舌を出す。
ノートは、今日中には返ってくる。そこまで悪い子じゃないけれど、いいように使われているこの感じに腹が立つ。人の迷惑を考えてないあたりが、それが許されていることが腹が立つ。断れない自分に腹が立つ。
「でも仕方ない。だって、気がおける、仲だもの。仕方ない」
誰にともなく嫌味を言って、少しの溜飲を下げると同時に大きな悔しさをのみ込んだ。
■気が置けない
意味:遠慮したり気を使ったりする必要がない
誤用:気配りや遠慮をする必要がある
参考:goo辞書
渦巻く思考
密集する熱
喜怒哀楽が
埋め尽くす
雁字搦めの
人混みの中
お題:酸素
この目は瞼の裏見て、(目を開けろ)
この手は何もつかめずに(手を伸ばせ)
この耳は右から左へ聞き流し(耳を澄ませ)
この舌は砂を噛んでもそれさえ気が付かず(全てを味わえ)
この肌は触れるぬくもりさえ感じない
ああ、汝、隣人を愛せよ
テーマ:情熱