烏兎

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6/2/2025, 7:12:37 AM

誰かに肯定されたいと
涙が晴れた
雨上がり

お題:雨上がり

5/18/2025, 4:49:16 PM

「足並みを揃えるなんて時間の無駄。二の足を踏む暇があるなら即行動」
 空気の読み合いを足蹴にし、幼なじみは邁進する。
 眩しくて、かっこよかった。
 私と言えば、なかなか一歩が踏み出せない。躓いてばかりで、幼なじみの隣に並び立ちたいのに、走っても走っても追いつけない。
 でも、始まりは、ただ隣にいたかっただけ。
「まって!」
 幼なじみが振り返る。
「頑張るから、足引っ張らない様にするから!」
「……お好きに」
 幼なじみは歩き出す。でも、その歩みはいつもよりゆったりとしていた。優しいな、そんな君だから大好きなんだ。
 私は幼なじみに駆け寄ろうと、また走り出した。

お題:まって

5/16/2025, 4:36:46 AM

「いいよ、だって気がおける仲だしね」
「ごめんねー、いつもありがと〜!」
 国語のノートを差し出すと、クイーンビーは軽薄に礼を言って受け取った。私は次の授業の教科書を読むふりをして、内心舌を出す。
 ノートは、今日中には返ってくる。そこまで悪い子じゃないけれど、いいように使われているこの感じに腹が立つ。人の迷惑を考えてないあたりが、それが許されていることが腹が立つ。断れない自分に腹が立つ。
「でも仕方ない。だって、気がおける、仲だもの。仕方ない」
 誰にともなく嫌味を言って、少しの溜飲を下げると同時に大きな悔しさをのみ込んだ。


■気が置けない
意味:遠慮したり気を使ったりする必要がない
誤用:気配りや遠慮をする必要がある
参考:goo辞書

5/15/2025, 3:32:20 AM


渦巻く思考
密集する熱
喜怒哀楽が
埋め尽くす
雁字搦めの
人混みの中

お題:酸素

5/13/2025, 3:55:55 PM

この目は瞼の裏見て、(目を開けろ)
この手は何もつかめずに(手を伸ばせ)
この耳は右から左へ聞き流し(耳を澄ませ)
この舌は砂を噛んでもそれさえ気が付かず(全てを味わえ)
この肌は触れるぬくもりさえ感じない

ああ、汝、隣人を愛せよ

テーマ:情熱

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