ところにより雨
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雨の日が好き
雨の日の登校は、少し楽しい。
雨の日の学校は、少し特別な感じがする。
雨の日の部活は、いつもと少し違う。
外の音も、周りの空気も、色も、全てがいつもと違って見えてくる
夢の中のように、ふわふわする。
水の中にいるみたいに、音がする。
お風呂場みたいに、ぼやけて見える。
少しだけ、不思議な気持ちになれる。
そんな雨の日が好き
胸が高鳴る
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こっち
腕を引かれた
長い長い坂道を 駆け上がる
坂道の先に何があるのかは分からない
ただ信じて駆け上がる
ようやく坂道を駆け上がった。
あ、
と思った時には、転んでいた。
坂道を転げ落ちて、草むらの中へ
落ちていった
隣を見れば、同じように転げ落ちた君がいる。
ぼんやりと君を見つめる
転んじゃったね
と笑う君
胸が高鳴る
夜空を超えて
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ずっと先の話にはなりますが、
まだ僕の事を覚えていてくれたのなら
銀河鉄道に乗って来てください。
そしてまた、一緒に長い旅をしましょう。
冬支度
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あーーーーさっっむい!!
と寒がるコイツは、マフラーも手袋もしていない。
そりゃ寒いだろ。
と冷たく返す俺。
するとコイツは俺を睨みつけ、
うっせぇ!寒いけどまだ寒くねーの!!
とガキみたいな事を言い出す。
アイツは昔っからこうだった。
何においても見栄を張る。
そして大概失敗する。
その度に俺は、バカだなぁ〜、と笑いつつも手を貸してやった。
今思えば、俺も大概コイツに甘かったもんだ。
確かこの日も、仕方ねーなぁ〜
と言って、俺はアイツに手袋を貸してやったっけ……
そんなアイツとは、今ではほとんど一緒ではない。
彼女できた。
そう照れくさそうに報告してきたあの日から、俺たちは別々の道を歩いている。
けどさ、
俺の方がアイツの事前から知ってたし。
俺の方が仲良かったんですけど??
なんて、当時はバカみたいな事を考えちゃった俺。
もしかして俺の方がアイツよりガキだったりする……?
恋をして、俺より先に大人になりやがったアイツ。
いや、大人になったように見えただけか…?
まぁいいや。
きっとアイツは変わらなままなのだろう。
きっとアイツは、彼女の前でも見栄を張る。
そして失敗して、彼女から助けられるのだろう。
少しだけ違うのは、彼女は俺みたいに、バカだなぁ、とは笑わずに、ただただ優しく助けるという事。
彼女はその優しさで、きっとアイツの全てを包み込むだろう。
とりあえず、アイツに言いたい事は一つだけ、
俺との思い出も忘れるなよ!!?
過去の思い出も、たまには振り返ってみてください。
いつまでも彼女とお幸せに……。
行かないでと、願ったのに
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お互い素直じゃないね。
会う度にそう思う。
お互い変にプライドが高くて嫌になる。
***
……21時には帰らなきゃ。
彼女はそう呟いた。
引き止めて欲しいの?
それともただ教えてくれただけ?
私は毎度ぐるぐると考え込んでしまう。
私と彼女は親友。他人だが、他人ではない。簡単に言ってしまえば、家族みたいな関係。
お互いに気を許し過ぎて、一人暮らしをする私の家で暇つぶしにダラダラと一緒に1日を過ごす事さえよくある。今日だってそうだ。
そんな大親友の彼女だが、一つだけ苦手な所がある。
それは、言わなきゃ伝わらないもの程言わない所だ。
私は今もまさにそれで悩まされている。
私、21時には帰らなきゃなの。
と、今度はハッキリと自分に伝えてきた彼女。
そう、気をつけて。
とだけ言う私。
……私もうすぐで帰るの。
ともう一度言ってきた彼女。
早く"帰りたくない"って言ってくれたら良いのに。
そう考えてしまう私も実を言うと、何だかんだ言って彼女にはまだ帰って欲しくない。
理由はシンプル。帰ってしまったらつまんなくなる。それに、一気に寂しさが押し寄せてくる。
家族と離れても、ホームシックにならなかったのに。
こればかりは自分でも不思議でたまらない。
彼女が言わないなら、私が、"まだ帰らないでよ"
なんて言えばいい。だがそれを頑なに言わないのは、私の謎のプライドが邪魔するせい。
きっと彼女は今日も私が言うのを待っているのだろう。
しかし諦めがついたのか、とうとう彼女は立ち上がって、
じゃあ帰るね。
と言って荷物をまとめて私の家を出て行った。
行かないで、と願ったのに、今日も彼女は帰って行った。
お互い素直じゃないね。
きっとそれは、彼女も同じように思っているだろう。