2cm

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4/19/2024, 3:08:06 AM

雨が降り、風もよく吹いた。

桜はだんだんと鮮やかな緑色へ変わりつつある。

足元だけは積もった花びらで元の色彩を保ったまま。

瞬きをしたらゆめまぼろしのように消えてしまいそうな、儚い、無色の世界を足元に広げ、瑞々しい若葉は天に向かって芽吹いている。

相反する二つの世界を繋いでいるのは大樹。

俺とあんたの世界も、これくらい強固に繋がれたら。

太い枝に腰を据え、幹に耳を澄ませる。

あんたの声はどんな音だろうか。

4/13/2024, 11:24:44 AM

ぱっと瞼に影が差した。
慎重にゆっくりと目を開く。
暖かくてうたた寝をしてたようだ。ぐっと伸びをしながら起き上がる。今日も快晴。絶好のお昼寝日和だ。
.........はらり。
瞼のあたりから鼻をするりとひとなで。
やわらかな輪郭の和紙に赤い色水をちょんとつけたような、一等美しい花びらだった。
白を染めきらず、しかし根は芯を持ち、そこからふわりと白に寄り添ってくれるような、どこまでも優しい赤。
なあ、まるで君のようじゃないか。
大事に胸に抱き抱えて、ふっと後ろに倒れ込む。
君のために集めた、真っ白な桜が舞い上がった。

4/11/2024, 12:20:26 PM

桜という花が咲いている。

俺にとっては初めて見るもののはずなのに、何故か懐かしいような、くすぐったい気持ちになる。

この、言葉にできない気持ちが形になったように、ひらり、はらりと、色づいた花弁が風に舞う。

どこへ飛んでいくのだろうか。

あんたの世界にも咲いているのだろうか。

いちばん綺麗な花びらに、そっと瞼を合わせる。

あんたの目にも映りますように。

4/10/2024, 7:49:12 PM

春が来た。
あの子と俺の世界がちょうど鏡合わせになる。
この溢れんばかりの俺の気持ちも鏡合わせになればいいのに。いつだって俺の片思いだ。
なあ、目を開けてくれないか。
越えられない壁にそっと手を合わせる。
なあ、もうすぐ桜が咲くんだ。
こちらの桜も綺麗なんだぜ。
君のためにたくさんたくさん集めてくるから。
君への想いも、咲いてほしくて。

4/9/2024, 1:55:40 PM

俺が目を閉じる時、なんでそんなに悲しそうな顔をするんだ。

せっかくの光り始めのやわらかな光が、ぎゅっと1つに集まって、あまりにも強く光るものだから。

俺は眩しくて、眩しくて。

今日もあんたが輝いていることに嬉しくなって。

誰よりも、ずっと前から、

誰よりも、一番最初に、あんたの光りを感じて。

その光りを最後に、今日も目を閉じる。

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