7/4/2024, 11:58:30 AM
誰にも言わない 誰にも見せない
せめて神さまだけには知っていて欲しい
胸の奥深くに沈めた思いを
「神様だけが知っている」
#456
7/4/2024, 1:12:30 AM
道なんてない
足もとに広がる巨大な赤いこの岩盤を
容赦なく陽が照りつけるなか 歩く
隠れる木陰も水場もない
おおよその方角と
先を行った人々の置いた石くれを頼りに
この石を辿る私たちの足跡を道と呼べるなら
その先にあるものは
炎天のめまいと疲労のなかで夢見るものは
誰かが見たと言う素晴らしい景色
そこにしかない奇跡のような
水筒の水を口に含んでは印の石を探し
日が暮れるまえに
滑りやすい足もとが確かなうちに
歩いていく 道などなくても
「この道の先に」
#455
7/2/2024, 1:41:14 PM
脚立をのぼってごらん
もっと上のほうへ
見上げる瞳に日差しがまぶしい
繁った葉の間にきらきら紅いさくらんぼ
たっぷり陽を受けた高い枝の実は
ひかりを閉じ込めたように輝いて
ぷちん、ぷちん、ぱくっ
枝を離れて口の中へ
少しだけ弾力のある薄い皮
種から身をはがし 目を閉じて味わう
夏の初めの太陽の子
今年も幸せをありがとう
「日差し」
#454
6/28/2024, 10:53:46 AM
炎夏と思えば 萎れ干からびそうだが
朱夏と思えば 燃え立ち力みなぎるような
心を燃やし 立ち向かえ夏
「夏」
#453
6/27/2024, 7:47:37 AM
またね!と別れた たくさんの顔
最後だなんて思いもせずに
笑顔がつぎつぎ胸に浮かんでくる
たくさん出会おう たくさん笑おう
かならず別れは来るのだから
「君と最後に会った日」
#452