また会いましょう
また会いましょう
あの日のあなたに
あの日の私で
また出会いたい
あの日に戻って
繰り返し
あなたに出会う日を
夢見続けていたいのです
「また会いましょう」
#495
テーブルの角に足をぶつけて「アッ!イタッ!」
2人声を合わせて「またやっちゃった!」と笑う
ぼくが夜泣きするたび抱き上げて、ソファでしばらく背中を撫でてくれたあと
ベッドに戻りながらいつも繰り返し足をぶつけては笑って心をほぐしてくれる
そしてぼくは安心して眠るのだ
絵本の同じページで一緒にこわがり
別のページで一緒によろこび
繰り返し繰り返し
幼いぼくが安心してこの世界を生きていく
そんな土台をつくってくれた
自転車に乗り スキーを滑り 海で泳ぎ
成長していくぼく
勉強には厳しかったから反発した
でも今思う
我が子に厳しくするのは嫌だったろうな
嫌われるのは辛かったろうな
気づいたらいつの間にか
鎧をぬいで無防備にニコニコしている父
大人になったぼくを見て
安心してくれてるのかな
反発してひどい言葉を言って
距離をおいて冷たい態度をとって
あんな日々もあったのに
ずっと見守ってきてくれた
お父さんの愛は ぼくに降る雨
春も夏も 秋も冬も
でもいつも柔らかく
降り注ぎつづけてくれたんだ
「柔らかい雨」
#494
朝の冷えた空気のなか
たっぷり沸かした湯をポットに注ぐ
くるくると回る茶葉からゆっくりと
紅い色がにじみでてくる
光の中を立ちのぼる蒸気
そっと蓋で閉じこめて
砂時計の砂が落ちたら
カップに満ちる美しい色
期待をこめて顔を近づけ
吸い込む湯気と華やかな香り
お茶の魔法で身体は目覚め
今日がはじまる
「紅茶の香り」
#493
いつも隣にそっと身を寄せてくるきみ
まるい背中をあずけてくれる
ぬくもりが伝わってきて
いとしい気持ちがこみあげてくる
目を閉じる君に顔を寄せて
耳もとにそっと 大好きだよ
言葉の意味がわからなくても
この思いがきみに伝わるといいな
「愛言葉」
#492
だいじょうぶだよ、心配ない
寂しいわけないじゃん
いろいろとやる事多くって
忙しくしてるし 犬もいるし
用事があればLINEする
そんなに用もないと思うけど
元気で頑張れ
うん、お互いね
振り向かずにバイバイ
背中を瞼に残さぬように
「行かないで」
#491