11/5/2023, 1:14:47 PM
暗闇の中 輪になって座り
何も見えないままで
鈴の入ったボールを転がす
誰かの手元から あちらへこちらへ
あっ これは 私に向かってやってくる
細く まっすぐに光る鈴の音
「一筋の光」
#240
11/4/2023, 1:21:26 PM
降りしきる雨の音を
濡れた土のにおいを含んだ風を
朝の窓の隙間に向かい
黙って全身で受けとめている
そんな愛犬の横顔
「哀愁をそそる」
#239
11/4/2023, 5:43:14 AM
「恋しいときにはこれをご覧」
娘にそう言い残して亡くなった母の
その言葉通り
寂しいときにそれを覗き込むと
若き日の母の面影が見える…
それは鏡がまだ珍しかったころの昔話
大きな西洋鏡に映るちんちくりんが
自分の姿と知って驚いた明治の人々
いま 当たり前のように
鏡の中に見慣れたその顔も
手元で不意に映りこむ画面の顔とは
同じであって同じでない
鏡が映すその先に その奥に
何を見たいと願うだろう
見たいものだけ見てしまうから
「鏡の中の自分」
#238
11/2/2023, 3:35:57 PM
目を閉じて
そっとあなたと手を繋ぐ
遠く離れていても
感触を ぬくもりを思い描いて
あなたの心と一緒に
今日の眠りに落ちるのだ
「眠りにつく前に」
#237
11/1/2023, 12:39:35 PM
永遠なんてない
いまを
懸命に 真摯に生きることだ
「永遠に」
#236