tifon

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8/18/2023, 10:52:21 AM


美しさも価値も
自分自身では知り得ない

愛情と思いやりのある
誰かという鏡なしには


愛情をもって
大切な人たちの鏡となれるだろうか

その人の気づかぬ
美しさを照らせるように



「鏡」

#198

8/17/2023, 10:36:30 AM


とらわれて こだわって
手放すことができない

これは大切なもの
これは思い出
これは成果
ここは居場所
あなたは心のよりどころ

掌のなかの愛しさは
失う不安と背中合わせ

いつまでも捨てられないものが
いつまでもわたしを苦しめる

握りしめた拳を開こうとしてはためらい
手放す日を恐れながら
自由を願う



「いつまでも捨てられないもの」

#197

8/16/2023, 11:15:16 AM


「かちほこしてる!」

ピヨピヨ音に誘われて
欲しくてたまらないピンクの豚のおもちゃ
しっぽ振りふり駆け回る

右かと思えば左 上、下
捕まえた!と思いきや遠くへポーン
ダッシュ ダッシュ 相手の目線を読む

疲れ知らずで走ってはジャンプ
そしてとうとうガブリと喰らいつく
やった!!!

胸をそらし 顎を上げ
前脚を高く上げながら誇らしげに歩く
勝ち誇ったその様子が「かちほこ」

嬉しいんだね、がんばったね、
とっても楽しかったよ



「誇らしさ」

#196

8/15/2023, 10:46:01 AM


冷えたワインをグラスに注いでベランダに出る
もう昼の熱もない 極上の風が肌を撫でる
柵から見下ろせば小さく見える人の姿もまばら

遠くからクラクションの音が響く
街灯は道を柔らかく照らし
正面には大きな舞台のように広がる闇

遠く微かに揺れるのは漁船の灯だろうか
空と海の境はあいまいだけれど
月明かりが細い筋となって海を知らせる

耳を澄ます 寄せる波の音
浜辺の砂に沁みていく波
濃い潮のにおい

昼の喧騒から離れ 安らいでいるような海
わたしの心もとろりと和らいで
どっちつかずの思いが波に溶かされていく


「夜の海」

#195

8/14/2023, 11:03:46 AM


補助輪なしで土手を走る
お兄ちゃんの大きな自転車をこぐ
出会う人が
「すごいねぇ!」
「上手に乗ってるね!」と驚き顔
嬉しかったけど

気がついちゃった

小さいから褒められてるんだって
小さいのにえらいねって

ちょっとくやしい



「自転車に乗って」

#194

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