tifon

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8/3/2023, 11:58:21 AM


あなたが眠っている間に

小さな手の 柔らかな薄い爪を切り
額に張り付く髪もそっと切り
おもちゃを片付け
アイロンをかけ
夕飯の下ごしらえをし
ポットに湯を沸かして
香りの良いお茶を淹れる
カップに注いでクッキーなど準備する

すると大抵ちょうどのタイミングで
あなたが目を覚まして泣き出すのです
オムツかな?ミルクかな?

お茶は冷め切ったころに一気飲み


ほんとにたいへんだったけど
…懐かしい日々


「目が覚めるまでに」

#184

8/2/2023, 10:56:33 AM

父の個室に足を踏み入れると
見慣れない大きなブロンズ像
壁には風景画

病室にこんなものなかったはず

一緒に訪れた母も驚いていたが
父が病床から百貨店の外商に連絡して
買い入れたものらしい

子どもだった私にその是非はわからなかったが
周囲がにじませる呆れた雰囲気は感じた

その後本人も美術品も病院から無事搬出され
武勇伝か笑い話のように扱われていたけれど

あれから程なくして世を去った父は
大勢で賑やかにするのが好きで
人一倍子煩悩で家庭を大切にしていた
いつも前向きで
悲観や無気力を嫌った

真っ白で殺風景な病室でひとり
運命を呪ったり自分を憐れんだりするよりも

美しいものを目にすることのできる喜びと
いま命がある幸運に感謝していたかったのか

ずっと理解できないまま
記憶の底に沈んでいたけれど

いつか入院したり施設に入ったりする時には
この絵とこの絵を部屋に飾れたらいいな、
などと考えていると

心の奥の扉が不意に開いて
あの時の父の思いが静かに胸を浸した



「病室」

#183

8/1/2023, 11:17:25 AM

「もしも…」と言うとき
確率はちょっと低めと感じてる

絶対確実じゃないけれど
ツイてるのならやってみたい

くじ引きみたいに運試し
願いをかけて進みたい

「もしも」と思ったその瞬間
心はそれを求めてる

進みたい やってみたい
雨が降ってもいいじゃない

雨天決行、やっちゃおう



「明日、もし晴れたら」

#182

7/31/2023, 10:19:24 AM



泥水はそのまま放っておけば澄んでくる


濁って汚れ渦巻く心もおなじ


心が荒れている時は 


一人になりたい






「だから、一人でいたい」

#181

7/30/2023, 11:12:15 AM


澄んだ瞳には
全てを見透かされそうな気がする

瞳はなにも語らず
ただ見つめ返すだけなのに

水面を覗き込むように
自分がそのまま映し出されるからか

人からどう見られるか
人に見透かされるのがこわいのではない

ありのままの自分を直視することに
自分自身の姿にヒヤリとざわつくんだ



#180

「澄んだ瞳」

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