強い風が 弱さを揺さぶる
激しい雨が 耐える強さを試す
嵐に襲われてはじめて気づく
弱点が何であったか
しぶとさやしなやかさがあることも
どんな向かい風も嵐も
わたしを前へと進ませる力だ
「嵐が来ようとも」
#179
夏祭り
焼きもろこし屋のお手伝い
収穫したて
生食できる新鮮さ
皮をバリバリ 青いにおい
炭火の上で転がして
焼き色ついたら
醤油とみりんを刷毛で塗る
焦がし醤油の香り広がり
たちまち人が集まってくる
「美味しい焼きとうもろこしだよ〜
いらっしゃい いらっしゃ〜い!」
屋台の食べ歩きが大好きだけど
作って食べてもらうの楽しすぎて
またやりたいな
「お祭り」
#179
久しぶりに帰省して
大好きなラーメン屋で
ラーメン食べて大満足
やっぱりここのは最高だなぁ
わたしのラーメンの原点はこれだ…
そこにラーメンの神様が舞い降りてきて
「そうか、うまかったか、よしよし」
ラーメンの神様ありがとう
明日からまた頑張れます
「神様が舞い降りてきて、こう言った」
#178
短くはかない一生を駆け抜ける
自分の命は何のため
存在は無意味ではなく
誰かの役に立つだろうか
人類の進歩に資する快挙でも
日頃の小さな善行でも
あなたを笑顔にすることでも
関わる世界に
少しでも良い変化を加えることが
できたらいい
そうやって
日々を生きる
「誰かのためになるならば」
#177
手のりインコのピィちゃん
鳥かごを開けると
ぼくの指につかまってくれる
ピィちゃんは
ぼくの心をポッとあたたかくする
学校から走って帰る
ただいまピィちゃん
ある日ピィちゃんはいなくなった
ぼくがいない間に逃げ出したのだと
鳥だから仕方ないねと母が言う
元気に空をとんでいったのか
楽しくしててくれるならいいな
でも20年経って
大人になった僕を前に
うっかり口が滑ったのか
ほんとうはイタチに襲われたのだった
優しい嘘だったのだろう
でも
心の中で幼いぼくが悲鳴をあげた
知らずにいたことが罪のように
「鳥かご」
#176