しるべにねがうは

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10/14/2024, 1:28:32 PM

たかくたかく

晴れた日の縁側。たまにはこう言うのもいいだろう。
水をいっぱい、食器用洗剤を水の半量、砂糖を少々。
よくかき混ぜればシャボン玉液の完成である。

「ほれ完成」
「おおお…うぇ、美味しくないです」
「吸うな。絶対やると思ってたけど」

吹くんだよ、と自分用に持ってきたストローで手本を見せる。
緩やかに送られた空気が洗剤液を纏って丸く膨らむ。
ぷぅ、とストロー先に出現した楕円形に目を輝かせるお嬢チャン。

「大きいのつくります、負けません」
「無理すんなよ」
「そう言って余裕なのも今のうちです、3分後には負けを認めさせてやります!」
「気合いがすごい」
「『ギエピ〜!負けを認めるでヤンス!』って言わせるんです!」
「それ本当に俺?どう言うキャラ?どこで覚えてきたの?」
「やると言ったらやります!」
「頑張って…」

これなら俺は縁側から庭を眺めていればいい。
目の届く範囲で好き勝手してくれ。
端から端までエンドレスファストランみたいなのは無理。
体力無尽蔵魔神とは違う。20代ならまだしも…いや10代かな。
だらりと縁側に寝転ぶ。日向ぼっこ最高。
一息ついたらお嬢はいそいそと俺を跨いで廊下の奥に消えた。
いやなんで?

「ドライヤー持ってきます!」
「やめろどこからコンセント引っ張ってくる気だ!!」
「…じゃ、じゃあ扇風機を!」
「一緒だバカタレ」

息でいいのよ息で。
少女はぷうっ!と勢いよく吹き込んで、液を弾けさせていた。
パワーオブ力だもんなお嬢チャン。知ってた。

「わたしに、力がないせいで…こんなっ…!」
「力みすぎ」
「大きいのを作りたいんです」
「とりあえず小さいのからやんのよ」
「大きいのがいいです」
「頑固〜」

夕暮れまでずっとかかって、彼女が綺麗な丸が作れたのは結局一つだけだった。他はすぐ破れた。なんであんなに吹くん?
繊細なんだぞ洗剤って。いやシャボン玉がか?知らんけど。
特別な配合とか人によって秘伝のレシピがあるとは聞くけど。

「難しいですね、シャボン玉」
「ははは」
「勝てるのはまだまだ先ですねぇ…」
「すぐだよ、すぐ」
「本当ですか?明日ですか?」
「明日ではない」

絶対に明日ではない。
知らなかったな。この子って割と馬鹿で不器用だったんだ。
たったひとつ、綺麗にできたシャボン玉を見上げる。

「がんばれ〜!とんでけ〜!です!」

どこまでもどこまでも、たかく、たかく、とおくとおく。
夕暮れにとけるシャボン玉を見送る。

「ご飯ですよ、おふたり。手を洗ってきてくださいな」
「はーい!」
「りょうかいす」

とたとたとお嬢チャンが洗面所に向かうのを確認した後で、もう一度シャボン玉を探す。まだわれていないのを見つけた瞬間、ぱちんとわれた。

10/11/2024, 2:23:56 PM

カーテンコールはまだ遠く

人間誰しも、理想の最期というものに想いを馳せたことがあるだろう。ない?それはまぁそれで幸せなんじゃねぇかなと思う。
どちらかといえば後ろ向きな話だろう、死に際の話なんて。

それでも考えずにはいられないのは。
多分この世界にいる限りロクな死に方しないんだろうって思うからだ。ジジイまで生きてる人もいる。だけど一握りだ。
加齢と共に持病とか増えてくとは聞く。だけど任務中の負傷が多い。そこから悪化ってのも聞く。
若くても、任務に呼ばれた先で行方不明とか、

後日加筆します!

10/10/2024, 2:02:34 PM

なみだの理由

枠だけ取ります!後日かきます!!
まだ何も思いつきません!

10/8/2024, 10:24:42 PM

束の間の休息

「今週は一度も遭いませんね」
「フラグって言葉知ってるかお嬢」
「知りませんですわ」

一週間も折り返し、水曜日の帰り道の会話である。
まだ水曜。だがもう水曜でもある。いつも月曜の放課後には遭遇してた。2回くらい。何に?言わせんなよ恥ずかしい。
別に俺の落ち度じゃないから何でもいいけど。
これは事故というか自然現象というか、運の悪さというか。
揃いのブレザーを着て歩く姿は彼氏彼女に間違われそうで全然そんなことはない。クラスメイトがいいとこである。一緒に転校してきたけど苗字が全然違うので「兄妹…?」って聞かれる。
違います。
ひょんなことから(100%俺のホラー体質が原因で、お嬢はそれに巻き込まれた他人だ。だけど俺だって好きでこの体質な訳じゃないから、俺も俺の体質に巻き込まれた被害者だと主張していきたい)四六時中行動を共にしなければいけなくなった俺たちはそこそこ仲がいい。こうして下校中にくだらない会話ができる程度には。

「……あのさ、しりとりした方がいい感じ?」
「いえ別に。鼻歌でも歌っててください」
「ふーん……あ、コンビニ寄ろうぜ」
「不良ですわね」
「別に入り口手前でたむろしようってんじゃねぇわ」
「タバコはダメですわよ未成年ですし健康に悪いです」
「買わねぇし吸わねぇよ」
「……何しにいきますの?」
「この令和の世にコンビニ行ったことない奴いたんだな」

ぷぅ、と頬を膨らませるお嬢、別に可愛くない。

「行ったことが無くても死にません事よ」
「まぁ大体石蕗さんが持ってるもんな」

細々したお菓子とかリップとかほかほかの肉まんとか。
あの人なんなんだろう。超人?ポケットから何でも出てくる。

「嫌なら外で待ってればすぐ出てくるから」
「内部に不良がいる可能性も捨てきれません、私も同行します」
「コンビニって別に不良の巣窟じゃねぇからな?」

お嬢のコンビニ観って何から来てんだろう。
多分深夜の方だよなそれ。
未成年はタバコ買っちゃいけないんだぜ。
入り口付近でたむろするのも他の人の邪魔になるから避けるんだぜ。あと何かあったか?万引きはどこでもダメだし店員さんに無茶言ったりもダメなんだぜ。マナーを守って優しく生きよう。

「別に悪い事したりしねぇわ、なんか甘いもんみたり買ったり肉まんみたりおでん見たり買ったり食ったり」
「……うちまで我慢して石蕗に頼んだ方が美味しいと思いますわよ?」
「馬鹿め、石蕗さんじゃダメなんだよあのジャンクさは」
「石蕗にダメな事なんて存在しませんわ、訂正してください」
「ある」
「ありませんわ」
「……ならとにかく買って食ってみろ、文句はそれからだ」
「受けて立ちますわ!」

意気揚々と踏み込んだコンビニ。所狭しとならぶ商品。
『生肝あります』『心臓とれたて』『冷凍目玉(加熱調理用)』
『フライド肋骨』『脳漿サンドイッチ』

「俺の知ってるコンビニじゃねぇ!!!」
「今週のノルマ、とりあえず1達成ですわね」
「言ってる場合か???」

命からがら脱出したあと、ゼブンでめっちゃ豪遊した。
次はリャミマ。

10/6/2024, 9:00:27 PM

過ぎた日をおもう

枠だけとりますすみませんー!

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