お題 ルール
ルール
「どれみ、ちょっと、あれヤバない?」
「スカートめくりの次いじめ覚えたらしい。」
学校で流れる嫌な噂。ルールを守らない奴のいたずらのことだ。
お題 今日の心模様
今日の心模様
心模様? 毎日同じに決まってるじゃないか。いつも何もないんだ、僕には。
「もう、あなたとはやってけないわ。」
何回、この言葉でふられたことだろうか。きのうも、僕の家柄めあてですり寄ってきた女ひとりにふられた。そいつは僕と結婚して莫大な財産をひとりじめにしようとしてたんだって、学友が言っていた。ふらレたら、負けじと言い返すつもりはない。もともと好きではないから。
「あ、そう。お幸せに。」
それだけ言えばいいんだ。あ、それで心模様はいつも灰色。アホらしいだろーが、学友のなかには研修生と恋に堕ちてるやつがいるらしいんだ。先輩学生は研修女子生徒と結婚したらしい。
「おい。おまえ、課題提出したか?」
しまった。やってしまった。ああ、今の心模様は真っ黒だ。課題提出先はあの強面教師。最悪だ。とっちめられて、下手したら宙吊りか?
お題 雫
雫
「母さん、ここさあ。ほんとに、氷柱みたいな雫があったのさあ。」
あぁ、これはこの家の少年の声だ。母親を引っ張って私を見に来たんだね。
「だってさあ、西森中の姉ちゃんたちが【氷柱みたいだ】【インスタ映えする】って言ってたの、聞いてたんだもの。」
「嘘おっしゃい。雨も降ってないのに、あるわけないでしょう。」
お題 何もいらない
何もいらない
【伊藤美穂子さん
明後日、親戚の開くパーティがあります。ぜひいらしてね。
追伸 美穂子、あいかわらず地味なドレスなの?】
美穂子はペンを動かしていた右手を止めて届いた手紙を見た。白い便箋に品のある筆跡で書かれた文字をみると、この手紙の送り主・山田小鈴を恨めしく思う。
【山田小鈴さん
ぜひ行かせていただきます。
追伸 お楽しみのようでなにより。】
皮肉を付け足すと封筒に入れて住所を入れ、そばの箱にポンと入れた。
「ペン、インク少なくなってきちゃった。」
ふと思い出し、立ち上がって箱を持つ。めんどくさそうにスマホを手に取り、スニーカーを履いて外に出た美穂子は家の前のポストに箱の中身をざらざらと入れてまた気だるそうに家に入っていく。
(あいつに…….、小鈴に恥かかせられるならもう何もいらないわ。)
別の部屋に行ってクローゼットを開けると、中には美しい模様のドレスや化粧道具が詰まっている。
「小鈴の旦那さんは清弘さん。好みは蝶だったわね。 てことはこれだわ。義昭くんの好みは……..。」
ドレスを選びぬき、会場に来そうな人の好みをミックスした小物やアクセサリーに散りばめ、それとなく統一感が出るようにもととなる色はすべて白で通す。
お題 もしも未来を見れるなら
もしも未来を見れるなら
‘私の将来の夢は、外交官です’
その一文をみると、不安とともに喜びも湧き上がる。