秋晴れ
乾いた空気を光が満たす。
木々は寒さと正反対の暖色をまとい、太陽がその温かさをさらに増加させている。
冬が近付いてきているけれど、その日の主役は間違いなく秋だった。
トレンドのパステルカラーを身につけた君は楽しそうに今後の予定を話している。
彼女もまた、今日の主役。
楽しそうに笑っているところを見ると、自然と温かい気持ちになり、たまに喋りすぎていないか確認してくる。
自分がどれだけ汚く感じても、今の彼女を形作る経験として存在しているならば、少しは好きに思えた。
彼女の話を聞くのは好きだ。
あの笑顔で、あんなに軽快に言葉を発するのに、一つ一つの言葉の重さはしっかりとある。
妙にはっきり聞こえるのに、やたらとリラックスできる。
身振り手振りの多さが、彼女が頑張って会話をしていることを感じられて、つい笑ってしまう。
やはり、優しい眩しさは他のものすら綺麗に見せる。
私はこの日常がたまらなく愛おしい。
忘れたくても忘れられない
憎めども憎みきれない。
それがあなた。
抑えたくても抑えられない。
それが恋心。
忘れたくても忘れられない。
それが想い出。
生きたくても生きられない。
それが私。
鋭い眼差し
自分らしく生きる。確固たる自我を持って生きている人がいる。そんな人達はいつも、毎日が幸運の連続であるかのように目が輝いているのだ。
本当に幸せなのは、小さな幸せに強く反応し、大きな悲しみを受け入れ、打ち勝つことが出来る人だと思う。それでも、いつまでもその幸せに飽きない訳では無いだろう。受け入れるのは限界がある。打ち勝つ力も有限だ。
なのになぜ、いつまでも幸せそうにしているのだろうか。なぜそんなにも眩しくなれるのか。どうしてそんな人達に惹かれるのだろうか。
私には分からない。分からないから、その眩いだけのはずの視線が、私を突き刺し続けるのだろう。
束の間の休息
ヘッドホンをつける。
曲が流れる。
話しかけられないまじない。
私は5分で旅に出る。
私の世界へと。
奇跡をもう一度
奇跡は急には起こらない。
起こすために、活かすために必要なことがある。
一度奇跡を受けたから。
それを追わずにはいられない。