今一番欲しいもの
あなたの願いをひとつ叶えましょう
そう言われた時、何も言えなかった。
どう答えればいいか分からなかった。
これだってものが一切浮かばなかった。
現状に満足はしていない。
ついさっきまで不満があった。
私には得られないものがあった。
さっきまで喉に「それ」は存在していたのに!
───重い、重い口をひらく。
ピアノ線で縫い付けられていたような
熱で口がくっついていたような
全神経を注ぎ、ストレスで泣きながら求めた。
「わたし」はなにがほしいのですか?
手を取り合って
前を人が歩いている。
憧れの人。越えられなかった人。
超えたい。超えたい。
ずっと努力してきた。
苦しい思いをしてきたんだ。
今、その努力が報われる時だ。
前を行く人の手を引っ張る。
引き倒して顔を踏みつぶす。
さぁ、頂点だ。
片手を誰かに握られた。
1件のLINE
たかが1件、4文字のLINE
それでも私にとっては十分嬉しくて
いつもの朝より体が軽い
今日はなんでも出来そうな気がする
学校で喋れるだろうか
しわくちゃな楽しい笑顔を見れるだろうか
私の中で太陽が昇る
世界の始まりの最前線に立っている
星空
あの星は、今もあるのだろうか
あの星座は、いつまで美しいのだろうか
人間は「北の動かない星」を北極星と呼ぶ。
それを中心に星空を撮り、映す。
星は滅ぶ。例外は無い。
当たり前が消えるのはいつの日だろうか。
神様だけが知っている
「小さい幸せを1つ、日記に書きましょう!花が綺麗だとか、いつも引っかかる信号をすぐ渡れたとか、そういうのでいいんです!」
「わたし」は何度も「私」を直す方法を探した。
その度に「私」は崩れ、綻び、上手くいくことは無かった。
「わたし」は「私」の為に「ワタシ」を消費した。
「わたし」は諦めなかった。
次の「ワタシ」ならきっと上手くいく
そうして「私」は「移」になり「科」になった
「ワたし」はもうげんかいだ
いくら「ゎたシ」を使っても「�」は戻らない
「Wぁたし」が「わtttttttし」にこわされていく
「Waたたたし」はずっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとあきらめなかった。
「�」のなおしかたなんて、しらないくせに。