どうすればいいの?
私は自己肯定感が低すぎる。
これは周知の事実である。
だけれど誰も知らない。
普通であるためだけに
「あげる努力が必要」ということ
そしてそれは
私を更に絶望へ追いやり
上げるどころか下げてしまう
常に繰り返される
抜け出そうとするほど嵌っていく
防ぐために何が必要だった?
逃げるためにどうすれば良かった?
私の少しの良心が
「絶望」から生まれていたなら
逃げ出すことは正解なのか?
私が私を引きずり下ろす
私に無いものを持つ人に憧れ、
叶わず落ち、「絶望」を刻む
私はどうすればよかったのだろう
キャンドル
暗闇でイルカのぬいぐるみを抱く。
布団を被って座っている。
遠目に灯りを見つめている。
ピアノを聴く。
旋律を撫でる手が見える。
か弱くも強かな曲線美を
流転する旋律に乗せて
私は穴の空いた心に和紙を貼った。
暗がりの中で
僕は何も見えない。
目が壊れている訳では無い。
おそらく五感は機能しているだろう。
そうでなければ、引きちぎられる足の感覚に気づきようがない。
突然、光が目に刺さった。
眩む。やはり目は機能していたようだ。
その中にあなたがいた。
手を差し伸べ、僕を助けようとする。
体を奪おうとする何かから。
それを感じた時、僕は理解した。
「光」が強ければ強いほど、
「暗がり」は深まるのだと。
紅茶の香り
「五感で楽しむと毎日楽しいよ」
あなたはそう言って、
紅茶を仰ぐように鼻に注いでいた。
紅茶だけではない。
催眠をかける太陽と、それに抗い見る花、そして団子。
空気は重く、光が全身を突き刺す、全てが眩しい蝉時雨。纏わりつく空気にはサイダーが似合う。
美しくも悲しい夕日、そばを流れる川の匂いと音。白み出した口周りに運ぶたい焼き。
澄んだ空気と水彩画の空、山葵のような空気と麻痺した耳。ホットコーヒーの苦さは、爽やかな朝を引き立てる。
取り留めのない毎日を宝物のように扱い、遊園地に来た子供に負けず楽しむ。それがあなた。
あなただった。
今では五感ははじけ飛んでしまって、六感の方が鋭いだろう。
しかし誰もがそれに見惚れ、錆びた匂いを感じる。。色の無い空、集中線が似合う広い視界。あなたの最後の音が纏わりついて離れない。
五感を捨てたあなたは、周りを鋭くさせた。
愛言葉
学校帰り
部活でひたすら疲れていても
「愛言葉」はわすれない
会社帰り
プレゼンで失敗をしても
「愛言葉」を大切に
家事をする
名前があるものから無いものまで
次の家事は「愛言葉」
今日も色んな世界の人々が
口を揃えて言うだろう
『ただいま』『おかえり』