いちご

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11/19/2023, 11:50:19 AM

キャンドル


暗闇でイルカのぬいぐるみを抱く。
布団を被って座っている。
遠目に灯りを見つめている。
ピアノを聴く。
旋律を撫でる手が見える。

か弱くも強かな曲線美を
流転する旋律に乗せて
私は穴の空いた心に和紙を貼った。

10/28/2023, 12:47:46 PM

暗がりの中で


僕は何も見えない。
目が壊れている訳では無い。
おそらく五感は機能しているだろう。

そうでなければ、引きちぎられる足の感覚に気づきようがない。

突然、光が目に刺さった。
眩む。やはり目は機能していたようだ。

その中にあなたがいた。
手を差し伸べ、僕を助けようとする。
体を奪おうとする何かから。

それを感じた時、僕は理解した。

「光」が強ければ強いほど、
「暗がり」は深まるのだと。

10/27/2023, 3:50:39 PM

紅茶の香り


「五感で楽しむと毎日楽しいよ」

あなたはそう言って、
紅茶を仰ぐように鼻に注いでいた。
紅茶だけではない。


催眠をかける太陽と、それに抗い見る花、そして団子。

空気は重く、光が全身を突き刺す、全てが眩しい蝉時雨。纏わりつく空気にはサイダーが似合う。

美しくも悲しい夕日、そばを流れる川の匂いと音。白み出した口周りに運ぶたい焼き。

澄んだ空気と水彩画の空、山葵のような空気と麻痺した耳。ホットコーヒーの苦さは、爽やかな朝を引き立てる。

取り留めのない毎日を宝物のように扱い、遊園地に来た子供に負けず楽しむ。それがあなた。


あなただった。


今では五感ははじけ飛んでしまって、六感の方が鋭いだろう。
しかし誰もがそれに見惚れ、錆びた匂いを感じる。。色の無い空、集中線が似合う広い視界。あなたの最後の音が纏わりついて離れない。
五感を捨てたあなたは、周りを鋭くさせた。

10/26/2023, 4:25:56 PM

愛言葉


学校帰り
部活でひたすら疲れていても
「愛言葉」はわすれない

会社帰り
プレゼンで失敗をしても
「愛言葉」を大切に

家事をする
名前があるものから無いものまで
次の家事は「愛言葉」

今日も色んな世界の人々が
口を揃えて言うだろう

『ただいま』『おかえり』

10/24/2023, 7:29:14 AM

どこまでも続く青い空


いくら空そのものが青くても

雲がかかれば灰色で
日が傾けば赤色で

夜は濃く、朝は薄く
夏は輝き、冬は澄む

偶に考える
空は本当に青いものなのだろうか

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