構って欲しいわけじゃない。
撫でられたいわけじゃない。
傍にいて欲しかったのかな。
多分そういうわけじゃない。
幸せになって欲しかったのか。
自分がいなくても幸せになって。
自分がいつでも消えていいように。
悲しませたいわけじゃなかった。
自分はここにいてもいいのか。
息をするように考えていた。
存在価値が分からなかった。
全て言い訳にしかならない。
きっと幸せは自分への罰だ。
[幸せとは]
一等星になりたかった。
誰もが羨む素晴らしい星。
絶賛されて拍手と笑顔に包まれる。
おめでとうと誰かに言ってもらえる。
ただあまりにも弱すぎた。
脆弱な何の飾り気もない小さな小さな星屑。
圧倒的光の重力に巻き取られる。
一番星の座は目の前にあるのに。
光はすぐ目の前にあるのに。
その光こそが、その一等星こそが個人だった。
眩しくて悔しくて涙が溢れてきた。
全部中途半端にできないから。
二等星も三等星も僕より輝いてて。
喉奥を貫かれたように苦しかった。
[星に包まれて]
消えたくて死にたくてどうしようもない。
たしかに辛いのかもしれない。
たしかな理由はないのかもしれない。
風が吹くようにふらっと痛みなく、
いっそ僕のことを消してしまって。
海という言葉
風という言葉
全てナイフのようで。
誰かが静かに告げた。
[静かな終わり]
いつか何も考えずにどこか行きたいと思った。
何となく電車に乗ってバスに乗って歩いていく。
そうすると全く見たことの無い場所へ流れ着く。
その場所には何があってどんな人がいるのだろう。
どんな文化があってどんな環境なんだろう。
ずっとそんなことを考えていた。
逃避行を夢見ていた。
[心の旅路]
薄氷の上を歩く。
踏みしめる度、乾いた音が響く。
廃墟特有の鳥肌も、今はただ寒いだけになる。
氷が割れている部屋。
よく見るとそれは鏡の破片だった。
拾った指先が切れて血が滴る。
割れて役目を終えた鏡の枠に氷が張っている。
その氷はぼんやりと自分の色を反射して輝いていた。
[凍てつく鏡]