二面性

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12/10/2025, 11:53:57 AM

色白な子山羊。

幾度も見てきた憧憬に目を見開いた。

暖かい、震える身体。

ありがとう。

……ありがとう。

君の匂いが鼻腔に広がる。

零れそうな瞳を揺らして見つめる色が綺麗だった。

口内で君が跳ねるたび胸が脈打つ。

銀食器に鏡写しになった己を見下す。

まるで獣じゃないか。

…いや、獣だったのかもしれない。

[ぬくもりの記憶]

12/1/2025, 12:29:20 PM

自分の事が嫌いだった。

綺麗事しか吐けない。

本当はぐちゃぐちゃで汚いのに。

妄想で悦に浸ったことも一度じゃない。

人として生きることが出来ないから。

あまりに最低な選択しかしなかった。

いいのかなあ。

君の人生を奪っても。

星が、月が、綺麗だね。

綺麗でそれでいて残酷だ。

南の極の空で浮いている。

落ちている。

[凍てつく星空]

11/24/2025, 2:20:08 AM

大粒の涙を零しながら引き止める君。

僕だって本当は君と居たかった。

でもそれで不幸になってしまうなら、

なんて身勝手な酷い話だ。

何度も逃げればよかったと思った。

他にも手はあったんじゃないかと思った。

でも選択が全部最悪だった。

姉は逃げきれただろうか。

民衆が騒ぎ立てる。

生きたいな。

生きたかったな。

でももう僕は僕じゃないから。

さようなら。

[手放した時間]

11/16/2025, 12:52:53 PM

僕はそんなに綺麗なんかじゃないよ。

沢山沢山傷があるから。

とても誰かに見せられるものじゃない。

全部過去の傷だけれど。

杞憂に苦しめられて生きている。

こんな僕知りたくなかっただろう。

見たくもなかっただろう。

突き放したい訳じゃないのに。

3.8センチメートル。

太陽じゃない。

君に焦がれて君に照らされてるんだ。

[君を照らす月]

11/8/2025, 12:48:13 PM

空はずっと青かった。

水も大地も青かった。

もしもその境目がぼやけて繋がったら。

きっと泣きたくなるくらい綺麗なはず。

飛べる羽根はないけれど。

理想をこの目で見届けたい。

綺麗だ。

溢れ出てくるものに遮られて見えなくなる。

眩しい光を捉えた瞬間。

僕は何よりも美しいものに昇華する。

[透明な羽根]

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