二面性

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色白な子山羊。

幾度も見てきた憧憬に目を見開いた。

暖かい、震える身体。

ありがとう。

……ありがとう。

君の匂いが鼻腔に広がる。

零れそうな瞳を揺らして見つめる色が綺麗だった。

口内で君が跳ねるたび胸が脈打つ。

銀食器に鏡写しになった己を見下す。

まるで獣じゃないか。

…いや、獣だったのかもしれない。

[ぬくもりの記憶]

12/10/2025, 11:53:57 AM