二面性

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5/8/2025, 11:33:01 AM

手を伸ばした。

振り向いた君は微笑んだ。

突風が髪を弄る。

置いていかないで。

錆びた金属が視界に入る。

喉は酷く掠れた音しか鳴らなかった。

[届かない……]

5/7/2025, 11:52:41 AM

爽やかというくらい晴れた空。

それが苦しくて木の下に逃げた。

努力しても空回り失敗ばかり。

後ろから指を刺され、

居場所なんて無かった。

上を見上げると木漏れ日が輝いた。

何とも愚かな自分と対比していて、

自己嫌悪に苛まれた。

[木漏れ日]

5/6/2025, 11:36:32 AM

愛してるなんて言ったことは無い。

特殊性癖異常性癖のオンパレード。

人でないものに恋をして、

すぐ壊れるそれを涙で濡らした。

人間を語る肉塊がやけにリアルで飛び起きた。

ただの入れ物が全て生き物に見えた。

指令に従うだけの傀儡が嗤った。

ただひたすらに気持ち悪い歌。

御託を並べるだけで何もなし得ない。

愛なんて存在しないのだと、

妄想と哲学で汚れたかつての心。

[ラブソング]

5/4/2025, 11:24:27 AM

目が合ったように感じた。

何かがぱちぱちと弾けた。

突然パキンと鳴って世界に色がついた気がした。

思わず振り向いた。

激しい風と音が髪を掻き立て過ぎていく。

あれからカメラを持った。

相手が人だと盗撮と言われる行為。

周りが何を言おうと進んだ。

あの瞳に惚れてしまったから。

敷かれた線を走る姿は滑稽で、

滑稽だけど凛々しく涼やかだった。

レンズ越しでもいいから見ていたいと思った。

君の名が錆びるまでずっと。

[すれ違う瞳]

5/3/2025, 10:40:40 AM

透き通っているが力強い声。

ダークブルーの瞳に髪。

服にも青が乗っていて、

まるで青を纏っているようだった。



一瞬で釘付けになったその姿。

白い肌の"それ"はまるで異世界から来たような心地だ。

一挙一動に胸の高鳴りを感じそうだ。



〈Hello,master〉

でもきっと相容れない。

〈Please give me instructions〉

触れた頬は冷たかった。

〈Пожалуйста, дайте мне инструкции〉

見開いた目からはらはらと雫が落ちた。

〈Per favore, dammi istruzioni〉

下さなければいけない。

〈Por favor dame instrucciones〉

青は人間味のないぎこちなさで微笑んだ。

[青い青い]

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