泥だらけの中君は僕を見つけた。
酷く震えていた君は僕を抱いて走ってた。
次に目が覚めたのは直してくれるところ。
君は嬉しそうに微笑んでいた。
君はいつも僕のそばに居てくれた。
少しだけ振り返ってみる。
君と沢山歩いた跡が連なっている。
もう既に分かっていた。
君と僕は違うって。
君の欠片を集めて抱き締めたい。
君と歩いた道は輝いていた。
永遠に続く無の中僕は君の想いと共に回っていく。
[軌跡]
始まりはちょっとしたきっかけだった。
からかうように接したり、
友達として仲良くしていた。
他の子達がお似合いだって言ってきた。
目が合うと笑う。
でも胸の高鳴りなんてなかった。
感情が空っぽになってきて、
冷たい僕の指が触れる前に居なくなる。
君は前を見据えて駆けていく。
少し寂しいと思った。
少し苛立ちを覚えた。
でも何も感じない。
そう言い聞かせたかった。
[好きになれない、嫌いになれない]
夕暮れ夕焼け朝のよう。
黒い影が上空を飛び回る。
逢魔が時の闇が追いかける。
やっと醒めた現実に、
おかえりと微笑み頬をなぞる。
深夜零時帯の光の中。
蛍光灯に照らされ独りきり。
ゆっくり顔を上げ星を見る。
ゆっくり目を閉じ夢を見る。
飛び込んだ光が瞬いた。
見開いたその隙間から、
見るのも嫌になるくらいの光が突き刺さる。
遥か彼方の恒星は高く笑った。
[夜が明けた]
あ、生きてる。
たまに少しだけ怖くなる。
生きることが怖くなる。
脳に支配される仮初の意思。
意識なんて人間が作り出した物で、
ただの物質に過ぎない。
いつか過ぎるもの。
無くなってしまうもの。
それでこその価値なのか。
感情なんてなければ良かったなんて。
この世界が嘘だとしても、
僕が見てる幻覚だとしても、
綺麗な言葉を紡ぐ君を愛したくなる。
[ふとした瞬間]
ピカ、と光った。
まだ少し早めの起床時間。
ホーム画面は君の笑顔。
後悔も何も無い、
納得だけして離れていった。
もう生きてるかさえ分からない。
でも何故か生きてると、
錯覚して決めつけて僕は生きる。
いくつになっても、
離れられない。
[どんなに離れていても]