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10/9/2024, 9:57:21 AM

束の間の休息でリフレッシュ出来た?
一人の休息が皆の迷惑にならないよう、
バリバリ仕事しなくっちゃ!!

うーん、こんな感じでいいんだろうか? 俺は上司に確認を取りに向かう。
「いいよいいよ、○○くん! キャッチコピーはこれでいこう!」
上司のお墨付きを貰った。次はイラストだが……。
夕日の沈むビーチを背景に緩みきった表情でフラダンスを踊る自分を捨てて、スーツで営業回りに走っていく男性をメインにしよう。
少々漫画的になり過ぎるかもしれないが、目をメラメラと燃え盛る炎にしてもいいかもしれない。
イラストだけ見るとなんだか余白が多い気がするが、キャッチコピーをメインにするならこれぐらいがちょうどいいのだろう。
俺は出来上がったサンプルを上司に提出した。

「うーん、目を炎にするのはちょっとやり過ぎかも……。でも、これぐらいのほうがインパクトはあるかもね。よし、今月は君のポスターで行こう!」
「ありがとうございます!」
初めて俺のデザインが採用されたことに、俺は確かな満足感を覚えた。
近いうちににこのポスターが取引先に貼られると思うと……駄目だ、ニヤケが止まらん。

社名の通り、社員のモチベーションアップもお手の物、ということか。
よーし、来月以降もバリバリ仕事するぞー!

10/5/2024, 9:58:08 AM

「踊りませんか?」なんて、俺は多分生涯言わないんだろうなぁ……。
大体どんなシチュエーションで言えっていうのさ? いやワンチャン井上陽水でもカラオケで歌えば言う機会あるかもしれんけど。曲名知らんのよ。そもそもカラオケなんてだいぶ前に行って大後悔して以降、死んでも行かないって心に決めてるし。

久しぶりに書いた内容がこれかよ! とは、自分でも思うよ? でもさ、分かるでしょ? 俺らは皆等しくお題に踊らされてるんだからさ。
お題出す側に「踊りませんか?」なんて言われても、これまで散々踊らされてきたわけだし、何ならもう踊り疲れてもいるわけ。
現在18時55分。当ダンスホールにも蛍の光が流れはじめました。
それでは皆様、新たなお題を掲げたダンスホールでまたお会いしましょう。
そして、あわよくばそちらで新たな踊りを踊りませんか?

10/2/2024, 9:49:18 AM

『誰そ彼時相談所、はじめました』
秘密厳守! どなた様でもご自由に!
場所:彼岸公園内
営業時間:17:00~19:00

「これでよし!」
刷り上がったチラシを見て、男は目を細める。
「完璧な作戦だと思わないか?」
傍らにいる猫? のようなモノに声をかける。
「そうですね。……魔王様の敗戦が全てのきっかけであることを除けば」
「ぅぐッ!」

男——魔王は先日、勇者に敗れたばかりだった。
猫によく似た使い魔の機転のおかげでどうにか一命は取り留めたものの、魔王の敗戦の報は瞬く間に魔物たちの間に広まっていった。

魔王が負けた。
この事実はそれまで魔物たちを支配し、抑えつけていた者がいなくなったことを意味しており、それに伴って各地で魔物たちの狼藉が激化していった。
従来であればこのような時こそ勇者の出番! のはずなのだが、勇者たちは魔王を討伐した達成感からかしこたま酒を飲み、今は世界の万物を司る女神様のもとで永い眠りに就いているという——。
決して死んだわけではないのだが、世界が再び魔王の恐怖に支配されるその日まで目覚めることはないのだとか。

「それにしても勇者も女神もアホだよね。完っ全に我のこと倒したと思ってんだもん。我なんとか生き延びたのに。んでもって、もう我世界を支配しようって気ないし。やる気失せたわ。なのに、我が恐怖で世界を支配するまで起きてこないって……どうすんのこれ。起きるタイミングなくない? とんだお寝坊さんがいたもんだよ! おまけに我の部下たちも我が死んだと思ってやりたい放題始めるしさ。なんなん? この世界アホしかいないのw? 部下ならもうちょっと上司のこと心配しろよ。何勝手に死んだと思って他人様に迷惑掛けてるわけ? おかげさまで魔力取り戻す暇もなく元部下どもの尻拭いに奔走させられることになるとかさ、我不憫すぎない? あーもう、我超不憫だわー(怒)」

そんな不憫な魔王が始めたよろずお悩み相談所『誰そ彼時相談所』は、魔の力が強くなるという黄昏時のみ営業中。
皆様のお越しを心よりお待ちしております……。

9/30/2024, 9:35:36 AM

『静寂に包まれた部屋』
枠を確保

9/27/2024, 8:44:55 AM

今日のお題は『秋🍁』? 絵文字が付くのか……。
これは出題者側の「普通の秋なんてお呼びじゃねーよ。俺たちが求めてるのは『秋🍁』なんだよ」という意図を汲み取れるかどうか? がポイントになるだろう。
普通の秋を求めているなら絵文字を付ける必要はないはず。しかし、もみじだけに気を取られてしまっては本来メインであるはずの秋感から逸脱してしまう。お題はあくまで『秋🍁』なのだから。

そういえば、先日は『秋恋』なんてお題もあったな。そのことも出題者側が普通の秋を求めていない根拠となりうるのではないか? 彼らが求めているのはあくまで、秋プラスアルファなのだ、と。
しかし、秋🍁ねぇ……これと言って面白い話なんてないぞ……?
面白くない話なら、まあ、あるけど。

秋の恋は続きやすいということを知って勢い任せに告った結果、左頬にプレゼントされた紅葉をさすりながら、俺はもう少しお題と真剣に向き合ってみることにした。

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