【声が聞こえる】
後で書けたら、と思っています……
【大事にしたい】
今の私は幸せだ。
大事にしたい人が居て、大事に過ごしたい日々がある。
昔の私はそうではなかった。
周囲との折り合いが良くなくて、時間が早く過ぎ去ってくれることを願っていた。
そんな私でも夢があった。
したいことがあった。
だけどそれは周囲に否定されて、いつからか口に出すのも恥だと思うようになっていた。
全力で向き合う前に折られた夢は、いつまでも燻って、棘みたいに刺さって、時折開く傷口のようにじくじくと痛んで仕方がなかった。
生き方が変わって、考えが変わって。
その夢は『どうしても叶えたいもの』ではなくなった。
けれど、そういう夢を抱いていたこと自体は。当時の気持ちは。幼いながらも足掻いていた自分の過去は。
これからも大事にしたい。
せめて、全部知っている私自身は……
【時間よ止まれ】
仮に時間よ止まれと願ったとして。
その願った本人の時間だけが止まらずに動き続けるなんて、都合が良すぎるのではないだろうか。
本当に全ての時間が止まってしまったら。
時間が止まったということを認識する者は誰もいない。
つまり、たとえ時間が止まっても、その止まっていたという事実は証明できず、何も起こらず何も変わらず。そんなの、何もなかったのと同じじゃないか。
だから、もしかしたら。
過去に本当に時間が止まったことがあったかもしれないよね。
【夜景】
夜景を見ていると、気が遠くなってくる。
あの光のひとつひとつには、働く人や待っている人がいて、それぞれに思いがあり物語があり、それが絡み合って社会になり、世の中が出来ている。
なんて深く、なんて複雑なのだろう。
私もその広い世の中の小さな光の点のひとつでしかないのだと思うと、なんだか心細いようで、少し不安でくらくらするのだ。
【花畑】
「これを見に行きたいの」
そう言って君が差し出したのは、なだらかな丘を青い花が覆い尽くした、美しい花畑の画像。
僕はすぐに了承する。
「いいね、行こうか。いつにする?」
「それが……今年はもう花が終わっちゃったんだって」
「じゃあ、来年だね」
うん、と頷く君に、自然と顔が緩む。
未来に何かしようという約束が増えるのは嬉しい。来年一緒に行こうというのは、来年まで一緒に居ようということだから。
沢山の予定を作って、カレンダーを埋めて。来年も再来年も、少しでも長く隣に。
そんな理由なくても、僕は君を手放すつもりはないけれど。
僕と共に過ごす時間を、君が楽しんでくれますように。