【花畑】
「これを見に行きたいの」
そう言って君が差し出したのは、なだらかな丘を青い花が覆い尽くした、美しい花畑の画像。
僕はすぐに了承する。
「いいね、行こうか。いつにする?」
「それが……今年はもう花が終わっちゃったんだって」
「じゃあ、来年だね」
うん、と頷く君に、自然と顔が緩む。
未来に何かしようという約束が増えるのは嬉しい。来年一緒に行こうというのは、来年まで一緒に居ようということだから。
沢山の予定を作って、カレンダーを埋めて。来年も再来年も、少しでも長く隣に。
そんな理由なくても、僕は君を手放すつもりはないけれど。
僕と共に過ごす時間を、君が楽しんでくれますように。
9/17/2024, 11:46:15 PM