深雪

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3/31/2024, 12:04:06 AM

お題「何気ないふり」

それは手が触れた瞬間の温もり、偶然隣に座った温もりだったりする。
ステージで楽しそうに歌い踊るあいつはかっこいい、俺には眩しすぎる光景だった。
あの時俺の目は濁っていた、復讐に囚われ自分を見失っていた。
正気に戻って自分のした罪を自覚した、一生許されない罪と知りながら今日も俺もステージに立つ、殺しても死なない愚かに育ってしまった恋心と一緒に何気ないフリしてカッコいいお前を見る

「誰かこの恋心を殺す術を教えてほしい」

悲しい許されぬ告白だった、その声には悲痛な叫びが乗ってた。
彼以外誰もいない部屋に反響し続ける告白はきっと今日も思い人に届くことは無いのだろう。

3/28/2024, 11:21:00 PM

お題「見つめられると」


最近何処からともなく俺たちのリーダーは注目...いやあれは下心の塗れた目線を数人に向けられてるが相変わらず鈍いあいつは気づかない。
だから今日も俺達はその視線の相手を牽制する。

「おいーーそんなに見つめられると勘違いする人が出るだろう」

悪いな、俺達のリーダー欲しければ一昨日きやがれ!

3/28/2024, 3:47:31 PM

お題「My Heart」

心臓が高鳴る、あいつが触れるたびに笑いかけるたびに俺の心臓が高鳴る。
これは俺の独りよがりな片想い。
今日もあいつは俺以外の思い人を見て恋する乙女を見たいな顔をする。

「ーー俺の恋心殺して応援するから」



ーーは好きな名前で構いません。

3/27/2024, 4:31:45 PM

お題「ないものねだり」


一目惚れだった、いつも遅刻してくるお前を叱るのは俺の役目だった。
それは心を入れ替えて真面目に仕事するようになっても変わらなかった、お前に近くにいるのは俺だったはずなのに。

気づかなければよかった。

普段から鈍い、鈍いと周りに言われていたのに気づいてしまった。
あいつが話しかけると少し上擦る声、少し赤く染まる頬、俺に向けられる事ない恋する表情。
苦しい、憎い、羨ましいが駆け抜ける、また奪われたと感じてしまう。
今日はついに交際し始めた事を報告してきた。
もう耐えられなかった、誰もいないこの場所で無いものねだりのこの恋を殺そう。

「俺ずっと...ーーの事好きだった」

彼は気づかない、後ろに彼のことを好きで同じように無いものねだりの恋を殺しにきた人がいる事を...




ーーのところは好きな名前で考えてください

3/25/2024, 12:21:31 PM

お題「ところにより雨 」

ーーーバンッ
銃声が鳴った、俺はそれを何処か遠くに聞いていた。
すぐ近くに何か重いものが地面に叩きつけられる音が響いた、曇天の空が見えてきたそうか俺が撃たれたのか。

ザー

誰かの慟哭をかき消すように雨が降り出した

「天気の嘘吐き野郎、ところにより雨だを忘れてるじゃねぇかよ。」

きっとこれで正解、俺の命でこの悪夢が終わるのならそれでいいのだから。

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