お題「何気ないふり」
それは手が触れた瞬間の温もり、偶然隣に座った温もりだったりする。
ステージで楽しそうに歌い踊るあいつはかっこいい、俺には眩しすぎる光景だった。
あの時俺の目は濁っていた、復讐に囚われ自分を見失っていた。
正気に戻って自分のした罪を自覚した、一生許されない罪と知りながら今日も俺もステージに立つ、殺しても死なない愚かに育ってしまった恋心と一緒に何気ないフリしてカッコいいお前を見る
「誰かこの恋心を殺す術を教えてほしい」
悲しい許されぬ告白だった、その声には悲痛な叫びが乗ってた。
彼以外誰もいない部屋に反響し続ける告白はきっと今日も思い人に届くことは無いのだろう。
3/31/2024, 12:04:06 AM