『喪失感』
今日、これと同じように小説等を書くアプリを開いたら、サブ垢でログインされた状態でした。恐らく昨日いじった時、サブ垢にしてそのままだったのでしょう。
だから本垢でログインしようとして、アカウントを切り替えるところを押しました。
すると、本垢が表示されないのです。
もしかしたら垢BANされたりして消えたのだろうか?
そう焦って検索をかけてみた。
そう思い検索をしたら本垢は出てきて、消された訳では無いとほっとしたと同時に、なぜログイン出来ないのか疑問に思った。
何度アプリを閉じても、再起動をしても、一向に治らない。
そして私は少しイライラした。何故アカウント自体は消えていないのに、ログインできないのか。
再ログインしようにも、そのアカウントはまだ私がスマホを持っていなかったときで、母のLI○Eでログインをしていた。しかも母のスマホも変えてしまって前のスマホだからログインすることが出来ない。つまり打つ手無し、𝐆𝐚𝐦𝐞 𝐨𝐯𝐞𝐫って訳だ。
まぁ、いずれログインできるようになるだろう。できなくなったら、1から始めればいい。
まぁ、無理か。
2023/09/10 22:28:51
開けないLINE
ピロンッ
シンプルで短い、だけど私を
恐怖と好奇心に陥れるには充分な音だった。
怖い、LINEが怖い。メッセージが怖い、他人が怖い、音が怖い。
LINEを消してしまいたい、でもそんなことしたら折角繋がることが出来たネットの子との繋がりも切れてしまうし、親との連絡手段もなくなってしまう。
ああこれだから私は嫌だ
LINEも好きじゃない
でもそんなのより、たかが通知音の一つや二つごときで怯えて、逃げて、泣いたりする、意気地無しで泣き虫で中途半端な私がもっと嫌い
不完全な僕
せんせえが言うには、ボクは<不完全>らしい。
沢山改良は続けたけど、やっと土台ができたばかりで、完全には程遠いって、そういってた。
でもよく分からない
だから、僕はまたたくさん手術をしなきゃいけないらしい。
手術はそんなに好きじゃない、自分の体をいじられる感覚が好きなわけが無い。
先生が言うには、僕には感情が乏しいらしい。
訳が分からず首を傾げていると、先生は説明してくれた。
感情の起伏が少ない。
感情的になることや感情移入が難しく、異様に欠如しているとの事。
恐らく重大な話だろうに、焦りもしないこの状態のことを、まさに言うのだろう。だから僕はいつまで経っても
<不完全>なんだろうな。
相変わらず感情の起伏は乏しいけど、他の人達を見ていったらどんな時に泣いて、笑って、怒って、悲しんで、悔しくて、無になったりするのか。そんなのが分かってきた。
でも所詮は他人の真似っ子。だから僕はやっぱり<不完全>のまま。
でもいいんだ、周りからは<不完全>でも、これが僕にとっての<完全>だから。
香水
私はよく、おばあちゃんとお母さんに「可愛い」と言われた。
そうやって褒められるのが本当に嬉しくて嬉しくて、よくおしゃれをしていた。
その度に「可愛い」と、2人の優しい声で褒められるのが嬉しくて、何よりの自身でもあった。
でもある日、私に転機があった。
それは5年生の夏。
休日に、お菓子を買いに行こうとコンビニへ行った。
その時雑誌コーナーを通った時に、たまたま目に入ったのが、ショートボブにTシャツ、ズボンといういかにもボーイッシュな格好をした女性が表紙を飾っているファッション雑誌だった。
私はその自分らしい格好をした表紙の女性に心を打たれ、気付けばその雑誌を購入していた。
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今日は珍しく母より父の方が早く帰ってきた。
父が帰ってくるなり私は、今日買った雑誌を手に持って
「私もこんな女性になりたい」と言った。
するとさっきまで穏やかだった父の表情がどんどん厳しくなり、そして初めて私に向けて怒鳴った。
突然の事にわけも分からず呆然としていると、父さんに雑誌を奪い取られ、ゴミ箱に雑誌を突っ込まれてしまった。そして父はこう言うのだ。
「お前はせっかく可愛い女の子に生まれたんだから、女の子らしく生きなさい」と。
また気付けば私は自分の部屋の姿見の前に立っていた。
肩甲骨辺りまでの髪をポニーテールにして結んだ髪に、紫色のスカートに服。
お手本のような【女の子みたいな服装】。
父にさっき言われた【女の子らしく】という言葉が脳裏に蘇る。
【女の子らしく】はいいのに、【自分らしく】はダメなの?
【自分らしさ】は殺さなきゃなの?許してくれないの?
分からない、分からないよ。
数分後、
私の右手に握られてるのは、開きかけたハサミに、そのハサミに絡まっているのと辺りに散らばっている髪。
私は姿見の前にしゃがみ込んでいた。
姿見に移るしゃがみ込んだ私の姿は、少しだけ長めでガタガタとしたショートボブの姿。
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最初に私のこの姿を見つけたのは、祖母だった。私の部屋を開けた途端この惨状だったからさすがにびっくりしたのだろう、すぐ母に連絡をしていた。
それから間もなく、母が家に到着した。
母は私の姿を見てびっくりはしていたが、怒ることも無くただ抱き締めてくれた。
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母side
仕事中、おばあちゃんからひとつの連絡が入った。
それは、娘が少しだけ大変なことになっているとの事だった。
私は上司に言って、直ぐに家に帰った。
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リビングには誰もいなかった。もしかしたら自分の部屋にいるのだろう。そう思いリビングから出ていこうとした。
そしたらゴミ箱の奥底に何かがあった。
取り出して見ると、それはファッション雑誌だった。
表紙にいるのはボーイッシュな格好をした女の人。
……まさかと思い私は娘の部屋へと急ぐ。
そしたら案の定、姿見の前に座り込んでいる娘の髪は、ショートボブ程の長さになっていた。
………今日はいつもより、お父さんが早く帰ってきたから、これを見せたら捨てられてしまったのだろう。だいたい想像が着いてしまった。
でも私は娘のしたことを否定をしないし、口出しもしない。その思いを込めて私は娘を抱き締めた。
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あれから2年後の中一、私の髪は少しは長くなったが、格好はボーイッシュのまま。
それから、おばあちゃんは病気を患ってしまい、寝たきりの状態になっしまった。
私はおばあちゃんのことが、大好きだから毎日のようにおばあちゃんの元へお見舞いに行っていた。
ある日、おばあちゃんの容態か急変したらしい。私とお母さんはすぐに家を飛び出して病院へ向かった。
お母さんたちは話し合うことがあるらしく、おばあちゃんと一緒に待っててと言われた。
2人きりになった病室に、静寂が訪れた。
何か話す話題はないかと必死に考えていると、おばあちゃんが急に私の手を握った。
びっくりして思わずおばあちゃんの顔を見ると、その顔はとても穏やかで、優しいものでした。
そしておばあちゃんは私にこう言いました。
「今の自分らしく生きているあなたはとても素敵で、綺麗で、それでいてとても可愛いし、どんなあなたも好き。
でも忘れないで、あの日より前の可愛かったあの時のあなたもあなたよ。あなたは何になろうと、私にとっては可愛くて可愛くて仕方がない孫だよ。」と。
それを最後におばあちゃんは、静かに息を引き取りました。
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おばあちゃんが無くなってから、私は再度可愛い服を身につけるようになった。
短かった髪も前の肩甲骨辺りまで伸ばして、ポニーテールだけだった髪型もハーフツインやツインテール、ハーフアップなど色んな髪型でするようにもなったし、スカートにも足を通すようになった。
更にはあまり好きでない香水も着けるようになった。
【嘘をつく時にはほんの少しの真実を混ぜると、
その嘘はより真実味を増してくる。】
どこかで聞いた、そんな言葉。
きっと、今の私に一番似合う言葉だろう。
嘘の部分は、この身なりをしていて、そして嘘をついている私の姿。
真実の部分は、この香水が好きでないという本心だろう。
でも私は、これが嘘だとは信じない。
何故なら、大好きなおばあちゃんが好きと言ってくれた私だから。
言葉はいらない、ただ・・・
私は、双子だったらしい。
でも双子の妹のはずの私は今は一人っ子。
何故かって?
それは、産まれる前に姉が腹の中から【消えてしまったから】。
流産じゃない。
だって、私が母の腹に入ってきた時は、ちゃんと居た。隣にハッキリといたし、腹から出ていく時もいた。
お母さんが言うには、産まれる前、私の体はすごく弱っていて、いつ死ぬかも分からなかったらしい。
それが発覚した矢先、お腹の中から姉の存在が消えたのだ。
だからお母さんは、私にこう言った。
『あなたのお姉ちゃんは、体が弱かったあなたを守って、強くするために双子として一緒にじゃなくて、ひとつの体に一緒になって生まれることにしたのかもね』
と。
それを聞いて私は子供ながらに泣いた。
『じゃあ私の、体が弱くなれけばお姉ちゃんは今も私たちと一緒に笑って過ごせてた?』
そう言って私は泣きじゃくった。
一緒に過ごしたいだなんて欲張りは言わない、声が聞きたい,言葉が欲しい,そんな願いでもない。
ただあなたに会いたい。
言葉はいらない、ただ_______