雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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3/9/2023, 12:28:46 PM

―過ぎ去った日々―

過ぎ去った日々は
淡く儚いしゃぼん玉のよう
高く高く飛び上がればもう届かない
大きさ強さはそれぞれで
いつかは割れてしまう
なぜ割れたのかは誰も知らない

訪れる明日は
謎に包まれた玉手箱のよう
箱の中は魅力的な未知の世界
蓋を開ければ得体の知れない白い煙が
こちらの気なんて知ろうともせずに
容赦なく襲いかかってくる

3/8/2023, 1:54:48 PM

―お金より大事なもの―

〈お金なんかより命の方が大事だ〉
〈お金は取り戻せても命は取り戻せないんだからな〉
〈命はお金じゃ買えないんだぞ〉
…とか

なぜなのかはよく分からないが、
お金と命は比較されることが多い
決してそれらが対になるわけではないのに、と
私には疑問に思えて仕方がない

さて、私は、“お金より大事なもの”はないと思う
金に飢えた薄情な奴だ!
なんて言われるかもしれないが、
私はそういうことを言っているんじゃない
お金を上回るものはない
と言っているだけであって
お金と等しいものはあると思う
私の考えでは命がそうだ

〈お金より命が大事だ〉と主張する人に、
「では命さえあればお金が全くなくてもいいのか」
と問えば、その人は首肯することが出来ないし
〈命よりお金が大事だ〉と主張する人に、
「ではお金さえあれば命がなくてもいいのか」
と問えば、その人もまた首肯出来ないだろう

残念と言うべきか、人の世界はお金でできている
その世界で生きる命にはお金がないと
命を生かすことすら出来ないし、
だからといってお金さえあればいいのか
という訳でもない
お金がどれだけあろうと、命がなければ
消費できない
目にすることもできないし、
価値すら分からないからだ

命のためにはお金が必要
お金のためには命が必要
だから、命の方が大事だ、なんてことはないのだ
と私は思う

3/7/2023, 10:16:26 PM

―月夜―

星々がいつもより遠慮がちに光る月夜
いつもより僅かに大きく感じる満月を
私の隣で眺める彼
「月が綺麗ですね」
ふと呟き声が隣から聞こえた
思わず彼の方を振り向くと
暗くて表情は掴めなかったけれど
彼と目が合った
どちらの意味なんだろう
どう返せばいいのだろう
そう思い悩む2秒間

星々がいつもより遠慮がちに光る月夜
いつもより僅かに明るく感じる満月を
僕の隣で眺める彼女
『月が綺麗ですね』
伝えるなら今しかないと思った
文系の彼女なら意図が分かるだろうと
勝手な期待を込めてみたのだけれど
彼女は何も言わないから思わず盗み見た
どう受け取るのだろう
どう返してくるだろう
1人で赤面する2秒間

3/6/2023, 2:40:22 PM

―絆―

もしも、絆が可視化出来たなら
人々の想いが人それぞれ、
様々な色の糸で表されていて
その糸同士の結びつきを絆として
誰もが目にすることが出来たなら
たくさんの結び目がある糸や、
逆に結び目が2つしかない糸
ボロボロで今にも切れてしまいそうな糸、
太く丈夫な糸
絶対に解けないだろう、
絡まりのような結び目、
自然と紡がれたものじゃなくて
意図して自分で紡いだ糸…
絆の種類は数多くある
それを否定することは誰にもできない
国境をも越え絡まり繋がりあった糸は
それはそれは儚く、美しい、
芸術作品と等しいからだ

3/5/2023, 1:53:52 PM

―たまには―

これは、遠く遠くの未来の話
未来に存在するとある▇の話

▇はある日、
たまには自分の本心をさらけ出してみたい
と思った
▇はいつも眩い程の優しい笑みを
浮かべていて、自分の考えや意見を
そのまま突き通すことなんてごく稀だった
そんな▇の中にストレスや疲労は
雪が降り積るように蓄積していき
溶けることはなかったのだった
そんな中でも、いつも内に込めたまま
発散させることはなく、いつしか
▇にも限界が近づき、
たまには自分の本心をさらけ出してみたい
そう思うようになった
それで、▇はある日、たまには大丈夫だ
と、ほんの出来心で、
“自分の本心をさらけ出した”
▇の本心は最早自分でも気づけないくらいに
汚れていた
▇は自分の中の汚れを全て外に流すため、
とにかく毒を吐き、とにかく暴れ狂い、
思うがままに行動した
すると、
▇の周りは皆慌てだした
頭を抱えるのもいた
▇の口から溢れて止まらない毒に
耳を塞ぐ者や、泣き叫ぶ者、
じっと目をつぶって蹲る者や、
跪き、▇に向かって必死に
手を合わせる者など、人々の反応は様々だった
草木は枯れ果て、人を含む生き物は皆、
みるみるうちに弱くなっていき、
やがて失神するか、
生気を失うかになってしまった
空も表情を無くし、災害などが絶えなくなった
▇がやっと目を覚ましたとき、
それはもう遅すぎた
▇の暴走が止まり、▇が見た世界は、
もう生物という生物全ての呼吸が止まり、
もう何の音もなく、何も動かない

▇は、
自らの手で今まで創り上げてきたこの世界を
自らの手で跡形もなく壊してしまったのだった

とある神の話

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