星座
冬の夜、澄み渡った空。
冷たい手を擦り合わせながら、私は南東の空を見上げる。
真っ先に見えるのは、冬の星座の代表格であるオリオン座。
赤色のペテルギウスとリゲルという二つの一等星を持つ豪奢な星座だ。
その煌めく二つの星の間に斜めに並ぶ可愛い三つ子の下に、ぼんやりと霞みがかって見えるのはオリオン大星雲。
それは距離にして、光の速さで千三百年かかるという途方もなく遠い場所だ。
と同時に、日々新しい星が生まれている星の故郷でもある。
ガスが渦巻くこの星雲は、あのガリレオ・ガリレイが自作の望遠鏡を覗きながらのスケッチを諦めたという逸話が残るほど、夥しい数の星々が集まっている。
そこから目線を斜め左下に下っていくと、ひときわ鮮烈な光を放つ青白い星が見える。
その名はおおいぬ座のシリウス。
私が幼い頃、あなたから教わった初めての星だ。
全天で二十一ある一等星の中で最も美しく輝くその星の星言葉は、ギリシャ語で焼き焦がすものという意味を持つ。
あなたはその言葉通り、幼かった私の心を一瞬で焼き焦がしてしまった。
寒がりな私がこうして冬を待ちわびるのはそのためだ。
日一日と寒さが増してくる。
間もなく初雪が降るだろう。
いよいよ本物の冬の到来だ。
その頃になると、大層大袈裟な望遠鏡を担ぎ、我が家へとやってくる人がいる。
私が毎冬待ち焦がれる星好きのあなたと、今年も共に星を見よう。
お題
星座
踊りませんか?
【⠀マナー講座 社交ダンス編⠀】
あなたはダンスパーティー会場にやってきました。
踊りませんか?
そう誘ってくるのは基本的に男性です。
なぜなら社交ダンスは西洋のダンス。
西洋の文化は男性にジェントルマンな振る舞いを求めます。
男性が女性をリードすることがスマートとされているのです。
ただ、最近では全てがこの通りではありません。
もちろん女性から男性に声を掛けたっていいのです。
何といっても時代は令和なのですから。
さて、もしあなたが声を掛けてきた男性と踊ってもいいわと思ったならば、男性が差し出した右手にそっと左手を添えましょう。
これで交渉成立、よろしくお願いします、の合図になります。
その際、あなたは男性の半歩前を歩くようにして、ダンスフロアへと移動します。
間違っても男性に引っ張られる形であったり、あなたが男性をグイグイ引っ張ってはいけません。
あくまでもエレガントに、男性にリードしてもらうようにしましょう。
またお断りする場合でも、ストレートに踊りたくないと言ってしまうのはよくありません。
疲れているのでごめんなさい、などお相手を傷付けないようにすることも大切なマナーです。
さて、曲が終わり席に戻ろうかという場面です。
その際、無言で席に戻るのもいけません。
お互いにありがとうございました、という挨拶があると良いですね。
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Shall we dance 普及協会
お題
踊りませんか?
きっと明日も
気分だけはいつまでも若いつもりでいるが、身体というのはまったくもって正直なものだ。
結婚、出産を経て、そろそろ子育ても卒業という頃合になると、あちらこちら身体にはガタがきていることに嫌でも気付かされる羽目になる。
個人差はあるものの、白髪を筆頭に、しみ、しわ、たるみの美容お悩み三種だったり、肩こり、腰痛、膝痛を始めとする各種定番の痛みも現れてくるお年頃だ。
最近ではそこに歯の不調や目のかすみまでもが加わる始末。
いわゆる老化現象と一括りにされ、一笑に付されることが多いのだけれど、こっちにしてみればこんなのがいっぺんにやってくるのだからたまったもんじゃない。
それだけならまだしも、心にだって少しずつ変化は起きてくる。
頑張った割には報われなかった様々なことや、分かり合うために譲ったつもりがいつまでも平行線を辿っていたり。
自分の歩いてきた道をふと振り返ったときに、かつて描いた未来と今いる場所があまりにもかけ離れていることに愕然とする。
やっと自分自身と向き合う時間が出来たと言うのに、もう人生の三分の二を過ぎているではないか。
ここ数年、ミッドライフクライシスという言葉が注目を集めている。
ミッドライフクライシスとは、人生の中年期に、自分のこれまでの生き方を問い、葛藤したり不安を感じたりすること。
直訳すると中年の危機となる。
中年期が40歳から64歳とすると、25年間もの間、我々中年は危機的状況にあるらしい。
しかし、この歳まで生き伸びた人間はそこそこ図太くなっているのが常である。
片羽がもげようが、牙が折れようが大したことではないように思えてくる。
ぐるりと周りを見渡せば、皆手負いの獣ばかりではないか。
きっと明日も相変わらず腰は痛いし、訳も分からない不安に襲われることだってあるだろう。
それでも私たちはどうにかこうにか生きていくのだ。
きっと明日こそいい日だと信じて。
お題
きっと明日も
別れ際
恋人との別れ際に言われた言葉で一番心に残っているのは、「お前が俺をこんなダメな男にしたんだ。」だ。
この言葉を言われた瞬間、私は確信した。
ああ、この男と別れて本当に良かった、と。
お陰で何一つ後悔がない。
お題
別れ際に
通り雨
慌てんぼ
傘を持たずに通り雨
あなたの店の軒(のき)に逃げ込み
お題
通り雨