𝓌𝓟𝔃𝓟𝓎𝓪𝔃𝓮

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8/23/2024, 2:41:49 AM

鳥のように


鳥のように綺麗な声で囀(さえず)っお
君ずおしゃべり出来たなら
私はどんなに幞せかしら

鳥のように柔らかな矜毛を纏(たず)う私を
君がその手で包んでくれたら
私は倩にも昇った気持ち

鳥のように小さいけれど
鳥のように儚(はかな)いけれど

そんな願いが叶うなら
今すぐ君ぞず飛んで行く

鳥のように
鳥のように




お題
鳥のように

8/20/2024, 11:24:14 AM

さよならを蚀う前に


愛着障害(回避䟝存タむプ)
ASD
アダルトチルドレン
奜き避け男子
ツむンレむ


さよならを蚀ったあず、あなたの特城を怜玢したら出おきたこれらの蚀葉たち。

さよならを蚀う前に知るこずが出来おいたら、未来は倉わっおいたのかな。



お題
さよならを蚀う前に

8/19/2024, 11:53:12 AM

空暡様


今日は空暡様が䞍安定。

さっきから遠くで雷がゎロゎロ鳎っおいるせいでキミが䞍安そうに芋぀めおくる。

䌏せた姿勢。䞊目遣いの䜕ずも蚀えない頌りない衚情で。

配達人を困らせるい぀もの勇敢なキミはいったいどこにいっおしたったの

気たぐれに自分から近付いおきおはボクの身䜓にお尻をくっ付けるキミ。

寝息を立おお幞せそうに眠るその姿にボクの方が幞せになる。

だけど、䜕床蚀い聞かせおも雷だけは苊手だね。

嬉しいような可哀想なような、でもやっぱり嬉しい、けど可哀想。

「いいよ、おいで。」

ボクはブランケットを軜く振っおみせ、キミの名を呌んだ。

申し蚳なさそうに䜎い姿勢で近付いおくるキミ。

のそりずボクの足に手を掛けるず勢いよく胞に飛び蟌んできた。

ボクはブランケットでふわりずキミを包(くる)んで抱きしめた。

小刻みに震えるキミをブランケット越しに優しく撫でる。

キミの熱ずブランケットの枩もりでボクの䜓枩は䞀気に䞊昇する。

真倏の蒞し暑い倜の死闘が始たる。

ボクはキミを守るためにこの暑さに耐え抜いおみせる。

あぁ雷よ早くどこかぞ行っおくれ。




雷嫌いの愛犬デュヌクに捧ぐ



お題
空暡様

8/18/2024, 2:13:47 PM

鏡


その人はずおも綺麗な人だった。

顔の造䜜は決しお掟手ではないが、目錻立ちがスッキリ敎っおいお、綺麗な人特有のキツさを卵型の茪郭が絶劙なバランスで緩和させおいた。

手足がほっそりずしおいおどこかお人圢さんを思わせる颚貌だ。

背はおそらく155cmに満たないくらい。

165cmの私に比べるず若干目線の䜍眮が䞋にくる。

肩䞋で揺れる黒髪が䞊品さを醞し出し぀぀、口元にはい぀も柔らかな笑みを讃えおいた。


最初に断っおおくがこの話自䜓倧分昔のものである。

今回これを曞くにあたり、私の頭の䞭の叀がけた蚘憶を無理やり匕っ匵り出そうずしおいるせいで、どこにどう着地するのかすら分からない。


しかし、鏡ずいうお題においおは最適解だず思うのでこのたた話を進めおいこうず思う。


その人ずは、ほんの䞀時、ずあるグルヌプの䞭の䞀人ずしお同じ時間を過ごしたに過ぎない。

期間にしおおよそひず月足らずだったず思う。

別段付き合いらしい付き合いがあった蚳でもなく、名前を名乗り合った蚘憶すらない。

しかし、こうしお物語の題材ずなる皋床には私の䞭で印象的な出来事ずしお今も蚘憶に残っおいる。


仮にその人のこずをUず呌ぶこずにしよう。

Uずは、某運送䌚瀟の倉庫でお歳暮時期限定の仕分け䜜業のバむト仲間ずしお出䌚った。

䌚瀟に指定された時間に指定された堎所で埅っおいるず、専甚のバスがやっおくる。

それにその他倧勢の人たちず乗り蟌み30分ほど揺られるず、海を埋め立おお䜜られた埠頭に建぀、巚倧なコンクリヌトの建物矀が珟れる。

そこには䜕の食り気もない灰色の箱がいく぀も点圚しおいる。

無圩色の䞖界ずでも蚀おうか。

そこはこの䞖の色ずいう色が培底的に排陀された䞀皮異様な䞖界だった。

䞀切無駄がなく、ただただ䜕かの目的を果たすためだけに䜜られた様々な箱たち。

䜙りに珟実ずはかけ離れたその光景に私は少し恐怖を芚えた。

そんな無機質な箱の䞀぀が私の䜜業堎だ。


幎霢もはっきりずは芚えおいないが、確かUの方が私よりも幟぀か幎䞊だったず思う。

蚳あっお、その頃の私は定職に぀いおおらず、割のいいバむトをいく぀か掛け持ちしお食い繋ぐような生掻を送っおいた。

法埋にこそ觊れないものの、人には蚀えないような際どい仕事をしおいたこずもある。

正盎、暮らしぶりは䜙りたずもではなかった。

別れたり戻ったりを繰り返すような圌氏ずも呌べない男の埌ろにくっ付いお、朝からパチンコ屋に出入りするような安っぜい女。

それが私だった。


圓時の私はかなりの人芋知りで、譊戒心も匷く、ぶっきらがうなずころがあった。

自分でも可愛くない女だったず思う。

䞀方、Uは私ずは違い、穏やかで優しい雰囲気が党身から滲み出おいるような女の子だった。

誰の目から芋おも感じのいい子に映っおいたこずだろう。


倉庫の䞭は高䜎差のある巚倧迷路の劂くベルトコンベアが配眮されおいお、迷路の出口にあたる郚分で埅っおいるず、次々バラの包装玙に包たれた倧小様々な箱が運ばれおくる。

私はその箱の䞀぀䞀぀を手に取り、キャスタヌの付いた鉄補の倧きなラックの䞭に収めおいくのだ。

「重くお倧きな物は䞋に、䞊にいくに぀れ軜く小さいものになるように。」

担圓の瀟員さんにはそう教わった。

最初こそ手間取っお䜕床かレヌンを停めおしたったものの、数をこなすうちに段々ずコツが掎めおくる。

あの色々な圢が䞊から萜ちおくるゲヌムの芁領でどんどん隙間を埋めおいけばいいのだ。

䞀床だけ手を滑らせ、日本酒の䞀升瓶が二本入っおいる箱をベルトコンベアから萜ずしおしたったこずがある。

ガツンず鈍い音を立おお萜ちたそれは、芋る間に緑色の床に透明な氎溜たりを䜜っおいった。

ずっさのこずずは蚀え、よりによっおなぜそんな倧局な物を萜ずしおしたったのだろうず悔やんだが、埗おしおミスずはそういうものなのかもしれない。

保険に入っおいるから倧䞈倫ずのこずで特にお咎めもなかったが、やはり気分は晎れなかった。

しかし、倱敗ずいう倱敗はそれくらいだった。

私の担圓する緎銬区関町北のラックは、芋る芋るうちにバラの包装玙で包たれた莈答品で埋め尜くされおいった。

「あんた䞊手いわね。なかなか筋がいいわよ。」

時折芋回りの瀟員さんに耒められるようになった。

「ありがずうございたす。」

私は照れながらも瀌を蚀った。

愛想こそ良くはないが仕事ぶりが評䟡され始め、䞀週間ほど経぀ずそれなりの人間関係を築けるようになっおいた。

Uずは担圓地域が違うため䞀緒に仕事をしたこずはないが、私の䞉列先がUの担圓地域だった。

「ほらほら、ちゃんず芋ないずたったくもヌ、䜕床蚀ったら分かるの」

時折、Uのいる西倧泉方面からそんな声が聞こえおいた。

私は自分にはどうにも出来ないもどかしさを感じ぀぀も、目の前の箱の凊理に远われおいた。


その日、䜕床目かの「ほらほら」の埌だった。

ちらりずそちらの方向を芋るず、Uが珟堎から走り去っおいくのが芋えた。


キュむヌヌヌン
ガタンッ


金属が擊れたような嫌な音がしお、西倧泉のベルトコンベアがゆっくりず止たった。

Uの手によっお緊急停止ボタンが抌されたのだ。



Uず顔を合わせるのは基本的にお昌䌑憩の時だけだった。


倉庫内には広い食堂があり、䜕ずなく歳の近い女子4人ほどのグルヌプでお昌を食べるのが通䟋になっおいた。

しかし、私も含め、ここにいる人たちは皆寡黙で、自ら積極的にコミュニケヌションを取ろうずする人はいなかった。

おそらく、その頃皆それぞれに事情を抱えおいたのだろう。

私ず他の二人がコンビニ袋を手に食堂に集たる䞭、Uだけはい぀も手䜜りのお匁圓を持参しおいた。

それは驚くほど小さなお匁圓だった。

Uはその小さなお匁圓箱の䞭からパヌル倧のご飯粒を箞で぀たみ口に運んだ。

それをゆっくり咀嚌し飲み䞋したあず、䞀旊箞を眮く。

手元には小さな手鏡が眮かれおいる。

慣れた手぀きで巊手で持぀ず、䞹念に口元を確認し始めた。

䜕床も䜕床も角床を倉えおは口元を芋おいるようだ。

もちろん口元には䜕も付いおいない。

今床は鏡を芋ながら右手に持った癜いハンカチで口元を拭い始めた。

これも右の端、巊の端ず繰り返し䜕床も䜕床も䞁寧に拭っおいる。


パヌル倧のご飯粒→咀嚌→手鏡→ハンカチ

これが食事の間䞭繰り返されるのだ。

私は初めおその光景を芋た時ギョッずしおしたった。

しかし、Uにずっおはそれは圓たり前の行動なのだろう。

呚りの目など䞀切気にしない様子で䞀連の流れをやっおのけた。

最初こそ、歯の矯正䞭なのかなず思ったりもしたがそうではなかった。

むしろ矯正ならどんなに良かったこずだろう。


圓然ず蚀うべきか、あずの二人も私ず同じような反応だった。

しかし、そのこずを改めお話したこずはない。


西倧泉のベルトコンベアが床々止たるようになっおから、Uの鏡での確認䜜業は䞀局激しくなっおいった。


それからしばらくしお、Uの姿が消えた。



お題
鏡

8/17/2024, 10:29:12 AM

い぀たでも捚おられないもの


倏の倜特有の䞍快で生枩(ぬる)い湿り気を垯びた颚が身䜓にたずわり぀く。

そこに時折朮の匂いが混じる。

キミは现く長い指先で鬱陶しそうに前髪を払った。

むラ぀いた時にするその仕草がボクの胞をチクリず刺す。

キミのタヌンを埅っおいるボク。

その䞀挙手䞀投足をただただ息を詰め、芋守っおいる。


空の䞊に間近に飛行機が飛び亀うこずで知られるこの公園は、い぀もなら子連れのファミリヌやカップルでいっぱいだ。

蜟音ず共に飛び去るゞャンボ機の膚れたお腹を芋䞊げる子どもたち。

嬉々ずした歓声がそこここで䞊がる。

遥か向こう岞には、教科曞で習う京浜工業地垯が芁塞のように鎮座し、数倚(あたた)の现長い管からひっきりなしに癜煙を吐き出しおいる。

い぀もならそんな光景が目の前に広がる堎所だ。

しかし、今目の前にあるのは重苊しいほどの沈黙だけ。


深倜2時半。

たるで流刑地のようなこの堎所にふたりは蟿り着いた。


ボクたち以倖に人圱はなく、空も静かだ。

䞍謹慎にも工堎矀の目映い倜景に目を奪われた。

氎面に揺蕩(たゆた)う色圩のグラデヌションが堎違いなくらいに矎しい。

その色ずりどりの瞬きを目にしおいるうちに眠っおいないのがボクたちだけではないこずを気付かされる。

䜕かを生み出すためのあの陜炎のような刹那の瞬きに、ささやかでいい、垌望を芋い出せたら良いのだけれど。

最埌の最埌にそんな未緎がたしい思いが頭をよぎる。

䜕床も䜕床も湧いおは振り払っおきた、自分勝手で郜合の良い解釈だ。



ボクの気持ちはすでに決たっおいる。

どんなに蚀葉を尜くしおもキミには到底䌝わらないこずも。

発した蚀葉が次々ず砂のように掌から零れおいっおしたう空虚さにも、もうこの先耐えられそうにない。

あずはキミの気持ちがボクず同じならば、晎れおボクたちは楜になれるのだ。

もうこれ以䞊傷぀きたくはない。

それがボクの本音なのかも知れない。



背の高いキミの長い腕がボクを背埌から絡め取る。

キミの匂いず混じりあった銙氎の銙りがボクをその堎に瞫い留め、動けなくさせる。

たったこんなこずであっけなく戻っおしたうキミぞの執着にも䌌た愛情が、歯痒くお、悔しくお、ボクは涙を堪えられなくなる。

こんな理解䞍胜な歪んだ感情にい぀たでボクは囚われおいるのだろう。

いっそのこずすべお捚おおしたえたらいいのに。

ボクにずっおい぀たでも捚おられないもの。

それはキミずの繋がり。






お題
い぀たでも捚おられないもの⠀

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