『絆』
『明日引っ越すんだっけか、真?』
『ああ、そうだ。寂しくなるな』
そう、俺は親友と話す。幼稚園から仲良くなった男の親友兼幼馴染。
俺は明日引っ越す事になった。しょうがないと思いつつも悲しい気持ちがある。
そりゃそうだ、ずっと隣にいた親友と離れるのだから。
『絶対に会いに行くから待ってろよ?』
『その前に俺がまたこっち来て会うさ。』
『それも良いなww。楽しみにしてるぞ』
『おう。』
そんな事を言い合い、俺は帰路についた。
『絶対にまた帰ってくる。絶対だ。』
そう独り言をこぼし、荷物をまとめなきゃ行けないことを思い出してため息もこぼした。
『たまには』
今、俺は公園に来ている。理由は散歩だ。
とても天気が良く、清々しい気分になる。
たまにはこんなのも良いだろう。これで最後になるかもしれないのだから。
『はは、なんてな。……全く、縁起の悪い。』
そのような事を言いながら、一緒に散歩に来た俺の連れに注意する。
『あまり遠くに行くなよ〜。お前小さいから見つけるの大変になるんだからな〜』
こんな日が、ずっと続けばいいのに。
そう思ったその時、急に胸に激痛が走った。
『もう生きる気なんてねぇよ。さっきはああ願ったが、もう十分幸せだ。』
そう独り言を呟き、俺は帰ろうとする。
『お〜い! もうそろそろ帰るぞ〜!』
そう呼びかけると、俺の足元まで来たので一緒に歩いて帰る。
……いつ言えば良いのだろうか。近々俺がいなくなると。
言える訳ない。俺たちは家族だから。俺は好かれていると思うから。寂しい思いをさせてしまうから。
でも、わかっている。言わないなら言わないでその時が来たら、悲しませることになるのは。
『俺は、どうすれば良いんだろうな、たま?』
『にゃー』
やっぱり、たまには言えないな。ごめん、たま。
『ひなまつり』
今、俺の目の前にはひなまつりの人形が飾られている。
8、9段ほどある多い雛壇だ。俺には姉が居るため多分姉の為の雛壇だ。
ひなまつりは幼い女子の健やかな成長を祈る節句の年中行事と言われている。
そして将来良い男性に出会えるようにと言う意味もあるとか無いとか。
1年に1回、雛壇を出すが3月3日の内に雛壇を片付けなければ婚期が遅れる、と言われているらしい。
全国の女性の皆様に幸あれ。
……これ、セクハラとかにならないよな? なったら、、、いや、考えないようにしよう。
『たった一つの希望』
みんなは腹が減った時、どうする?
そりゃ、何かを食べるだろう。肉でも、白米でも、野菜でも、魚でも、なんでも。
でも、お金が無かったら? 1ヶ月間を200円で乗り切れと言われたら?
ちなみに親には頼れない。理由は喧嘩したから。悪いのは俺。原因も勿論俺。
さて、話を戻そう。腹が減った時、この200円をどう使うか。おにぎりを買う?もやしで乗り切る?
ああ、良いだろう。
でもな、それには何かが足りない。人生を生きるのにも、そしてご飯を美味しくするのにも。
そう! それはスパイス!人生の方だとスパイス(と書いてスリルと読む)さ!
それを求めてこその男! いや、漢だ!
てことで今、俺の右手にはもう食べて棒だがあの超有名なアイスが握られている。みなさんご存知のソーダ味が有名な四角いやつ。
もうお気づきかな? ああ、そうだよ。俺は今からこいつで当たりを引く。それに賭ける。
もしも当たりを当てれたら、俺はこの1ヶ月間をもやしと何故か冷蔵庫の中にあるマヨネーズ1本で乗り切れる気がする!
俺はここで引く! 漢として! 来い!大当たり(ジャックポット)!
そして俺は棒の裏を見た。
…………その5秒後、俺は親に電話と謝罪、土下座をして帰った。
漢もたまにはプライドを捨てなければならない。プライドで飯は食えないのだから。
え? 当たったのかって? 聞くな、泣き喚くぞ?
『欲望』
眠い。
凄く眠い。途轍もなく眠い。
え? 何故眠いんだって? そんなの簡単、俺が全く寝ないでゲームばかりやってたからさ。
でもさ、しょうがないんだよ。ほら、よくあるじゃん? めっちゃ楽しくなってきたのにもう寝なきゃいけない時間みたいな。
だから俺は寝ようとした。明日やろうって。
でも無理だった。だって楽しくなって来たんだもん。
わかってくれるかな? いたら良いなぁ。
なんて思いながら俺は学校に行く準備をする。
時刻は8時43分。普通に遅刻。
さて、今日も帰ったら色々な生物をテイムする事にしよう。