【心の迷路】
週末 仕事終わり
私の楽しみが始まる
唐揚げ とんかつ おでん 油淋鶏 アヒージョ 春巻き
ビーフシチュー 肉じゃが みぞれ煮 オムライス 餃子
あぁ、候補が多すぎる
今日も今日とて料理に悩む
あれこれ考えず食べれるのは一人暮らしの特権だ
そうだ、自分へのご褒美に甘いもの買って帰ろう
アイス シュークリーム チョコ マドレーヌ 大福
いや、甘くなくてもいいなぁ
ポテチ せんべい じゃがりこ チーズおかき サラミ
結局迷いに迷って決まらないんだよね
さぁ、どうしようかな
【ティーカップ】
〝メアリーのお茶会へようこそ!〟
ピンクとミント色の立て看板にはそう書かれていた
私は妙に気になり、そのお茶会を見に行くことにした
「ふふ、いらっしゃい。」
驚いた
メアリーは優しそうな年老いた日本人だったのだ
テーブルにはいちじくのスコーンやクロテッドクリーム、マドレーヌに綺麗なテイーカップが並んでいる
「綺麗なティーカップですね」
「そうでしょう?これはね、私の親友がくれたのよ」
メアリーはティーカップに紅茶を入れてくれた
「大切なものなんですね」
「親友の形見なの。ほら冷める前に飲んでちょうだい」
「はい、頂きます………うん、美味しい!」
すると、メアリーは嬉しそうに笑って私の手を握った
「ふふ、美味しいかしら?それには私の魔法がかけられてるの。」
「魔法?」
なんだか、クラクラしてきた
「今日からアナタが次のメアリーよ!
さあ、永遠にお茶会を楽しみましょう」
【透明な羽】
人を救う、ってどういうことだと思う?
安らぎを与え、全ての恐怖から解放することだよ
だから私は人々に透明な羽を与え続けるの
あの世へ行く為の透明な羽を…
赤ちゃんはね、眠るということを理解していないの
だから眠たさを死だと恐れて泣いてしまう
貴方達はまだ死を理解しなくていいの
恐れてその命を大切にしなさい
私が貴方達に透明な羽を授けるまで
沢山長生きしてちょうだいね
【行かないでと、願ったのに】
悪魔が、悪魔が、襲ってくる
ああ、助けて、
ああ、帰りたい
息も血流も鼓動も悪魔に連れて行かれるこの感覚
やめて、やめて、やめて、やめて、やめて
連れて行かないでと、僕は願った
どうにかなりそうな苦しみに耐え難い痛み
帰りたい、君に会いたい、抱きしめて欲しい
僕の涙を拭っていつもの笑顔で安心させて欲しい
だけど、悪魔が、悪魔が______
君はこう言うだろうね
「行かないでと、願ったのに」
【秘密の標本】
おやおやあの子の秘密の標本
蛙に猫に子豚に魚
どこで集めて来たのかな
僕だけが知る秘密の標本
君の秘密の変態趣味も
僕は知ってる何でも知ってる
君が集めた秘密の標本
鼠に蜘蛛に鴨に子犬
どこで拾ってきたのかな
僕は知ってる全部知ってる