【ティーカップ】
〝メアリーのお茶会へようこそ!〟
ピンクとミント色の立て看板にはそう書かれていた
私は妙に気になり、そのお茶会を見に行くことにした
「ふふ、いらっしゃい。」
驚いた
メアリーは優しそうな年老いた日本人だったのだ
テーブルにはいちじくのスコーンやクロテッドクリーム、マドレーヌに綺麗なテイーカップが並んでいる
「綺麗なティーカップですね」
「そうでしょう?これはね、私の親友がくれたのよ」
メアリーはティーカップに紅茶を入れてくれた
「大切なものなんですね」
「親友の形見なの。ほら冷める前に飲んでちょうだい」
「はい、頂きます………うん、美味しい!」
すると、メアリーは嬉しそうに笑って私の手を握った
「ふふ、美味しいかしら?それには私の魔法がかけられてるの。」
「魔法?」
なんだか、クラクラしてきた
「今日からアナタが次のメアリーよ!
さあ、永遠にお茶会を楽しみましょう」
11/11/2025, 11:00:28 AM