録画していた音楽番組を見ながら食べる夜ご飯
冷凍庫に放置されていたササミを消費する今日
君がいないこの部屋は静かで落ち着かない
君がここを去ってもう2週間が経ったのか
最初はすぐに戻ってくるだろうと思っていたが
どれだけ待ってもどれだけ探しても君はいない
___ぐぅ
ササミだけではやはり足りないか
「コンビニ行ってくるね」
誰もいない部屋にそう声をかける
くたびれたスニーカーを履きドアを開けると
そこには君がいた
君は困ったような顔をしてこっちを見ていた
その途端、ホッとして何だか可笑しくなって
気付いたら笑いながら君を抱き締めていた
「ごめん。ササミ食べちゃったから買いに行こっか」
君は「にゃあ」と小さく返事をした
誰もいない駅前の小道
肌に刺さる痛いほど強い雨
私はもうどこにも逃れられない
友人から?借金取りから?警察から?
違う
罪悪感からだ
世界中の人が私の犯した罪を本当は知っていて
この雨のように鋭い視線を
今も向けているのではないかとそう思わせられる
罪を犯した瞬間は虚しさも罪悪感も感じなかった
私が壊してしまったあの人は好きでも嫌いでもない
ただのお金をもった老人
しかし今はどうしようもない後悔に苛まれている
ゆっくりと止まっていた足を動かす
結局私はどこまでも中途半端な人間だ
もう逃げることも考えることも疲れた
自首してしまおう
一人暮らしを初めて5ヶ月が経とうとしております。
一人暮らしを初めてから、毎晩付け始めた日記。
今では、友人も恋人もいない私にとって
唯一の心の内を吐き出せる居場所となりました。
そのお陰なのかいつだって孤独を感じませんですし
最近ではお隣のご夫婦にも良くしていただいて
私は本当に恵まれていると切に感じております。
早速本題に入りますが、伝えたいことがあるのです。
実の所、ずうっと前から貴方が
私が密かに書いていたこの日記を読んでいる
ということに気が付いていたのです。
私は一向に構わないのですが、、、
奥様は自分の夫が若い娘の部屋に出入りして、
日記を勝手にお読みになるという変態趣味をお持ちと
知られたらどう思われますでしょうか?
私は不倫でも構いませんよ。
___闇夜。鏡に映る貴方。
向かい合った貴方は私のはずなのに
どうしてこんなにも未知で恐ろしいのだろうか。
貴方と私が全くの他人だからなのだろうか。
だとすれば、貴方はこんなにも私を見つめているのに
どうしてこんなにも孤独なのだろうか。
貴方と私はどこまでも同じ一つの生命体だからなのだろうか。
貴方も私を恐れているのだろうか。
私が恐れている貴方は、私なのだろうか。