すぎもと

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1/6/2025, 4:28:10 PM

 「おーい!」
頭上から呼びかけるような声がし、肩を叩かれる。
伏せていた顔を上げると、そこには、居るはずのない人がいた。私の、3年前からのイマジナリーフレンド────正直、イマジナリーフレンドと言っていいのか分からない。なにせ、姿はなくて、頭の中に話しかけて来る程度であるから────の女の子だ。薄茶色のボブという髪型をしていて、触覚が後ろ髪よりも長い。その特徴も、絵の中で描いたその子(以下 君)のまんまだった。
「え、どうして・・・」
「ん?暇だったから遊びに来ちゃった。」
君がにっこりと微笑む。いつも絵で君を描く時は私服であり、制服姿を書く時はセーラー服を着せている。しかし、目の前に立つ君は、私の高校のブレザーをすっかり着こなしていた。
「いっつもひとりなの?お友だち居ないの?」
「いる、けど・・・ご飯はひとりで食べてるよ。」
「へぇ〜、寂しそう。これからご飯の時に遊びに来てもいい?」
君の口から出たその一言が、私は嬉しかった。
「うん!」
大きく頷くと、君は楽しそうに笑った。
 それから、ランチの時間が終わるまで、私たちはたくさんのことを話した。授業の内容の話だったり、得意教科や苦手教科の話だったり。
 まだ誰も消していなくて黒板に書いたままになっている数Ⅰの問題を「今日の1問はこちら!」とQuizKnockの真似をして出してみたりもした。
 どうして、君が目の前に姿を現しているのかなんて、いつのまにか考えなくなっていた。そんなことを考えられないほど、この時間を、全力で楽しんでいたから。
 机を引きずる音が聞こえて、私たちは我に返った。いつの間にか、終了5分前から鳴る曲名の知らないクラシックが流れていた。
「あれ、もうすぐ終わっちゃう?」
君は教室の中をぐるりと見渡した。それから、笑って、私の頭をぽんぽんと叩く。
「それじゃ、また明日ね!」
 教室を出ていくその背中に、私は言えなかった。「いかないで、このまま、一緒にいてよ。」と。本当は友だちなんて居ないし、学校にいる時間が本当に苦痛なのだ。
 でも、明日。明日も、君は来てくれる。だから、明日も頑張ろう────

 伏せていた頭を上げ、寝たフリをやめる。もう既に先生が教卓にいて、授業の準備を始めていた。
『次の時間、何?』
頭の中に、声が聞こえる。────そうだ、君は、ここにいるんだ。姿は見えないけど、君はいつも、私の傍にいてくれているんだ。
『んー、英語コミュニケーションだよ。』
声に出さずに、心の中で、私も返す。
 その瞬間、チャイムが鳴って、「きりーつ」という気怠げな声がする。教室中に椅子を引く音がして、私も急いで立ち上がる。
「気をつけー、」
皆といるこの時間が苦痛だ。私はまた何かをやらかしてしまう。特に、この英語コミュニケーションの授業では、発言する時間が多いので、何か間違ったことを言って冷たい視線を浴びるだろう。────でも、それでいい。それでいいんだと、何度も心の中で唱える。
 だって、君がいるから。君がいつでも傍にいてくれて、お昼の時間には、私に会いに来てくれるんだから。
 この地獄を独りぼっちで藻掻いている訳ではない。
 この地獄を、君と一緒に歩んでいるんだ。
 「例!」
お願いしまーす、と頭を下げる。
 顔を上げたとき、いつもよりも教室の中が明るく見えた気がした。

1/5/2025, 3:18:59 PM

【冬晴れ】
冬場に訪れる、よく晴れわたった穏やかな日。

冬晴れの意味がよく分からなくて、Weblio辞書を引いてみたところ、このように出た。
なるほど、つまり冬の晴れている日のことなんだな。私はそう解釈したが、多分間違っているだろう。

私は、空を見ることが好きだ。
雲ひとつない快晴の日も空を見るが、一番空を見たくなるのは、雲がある日である。
空と雲の色・形が織り成すその景色に、しばし見惚れるのである。
果たして冬晴れの日に雲がある日も含めていいのかは分からないが、私はいつの間にか、冬晴れの空を眺め、冬晴れというものに触れてきたのだろう。
・・・いや、ただ日々を過ごしているだけで、冬晴れに触れていることになるか。

知らない単語でも、意味を知れば「あぁ〜!」となる。
知らない単語でも、逃げずに調べてみよう。

いつか、言葉にできないこの気持ちを表す単語が見つかるかもしれないから。


#冬晴れ

1/4/2025, 4:15:04 PM

正直に言ってしまえば、私には分からない。
幸せについて考えるのはまだ年齢的に早いからか、幸せというものがよく分っていないからか、それすらも分からない。

私は、高校では文芸部をやらせていただいている。
文才は無いが、文を書くのが好きだからだ。
自分の普段は吐けない本音や価値観を、文章を通して表現することが出来る。
私の文章を、果たして何人の人が真面目に読んでくれているかなんて分からないが、それでも、友だちからは文章の感想を頂いている。というか、友だちが部誌を読むたびに言ってくるのだ。
「今回の話、すっごくよかった!」と。

好きなことをやって、誰かに褒められる。
それはすっごく嬉しいが、プレッシャーにもなってしまう。
つまり、それは「幸せ」ではないのだ。

こうやって文章を書いているうちに、私は普段仲良くしてくれている3人の子について思い出した。
お喋りが大好きで、会話泥棒な子。
普段は話を聞いているだけだが、ある特定のことについてはとても楽しそうに話してくれる子。
とても熱心に、部活をしている子。
その子たちは皆、自分の好きなことをして、好きなことを話して、とても満足気な顔をしている。
それに、私も文章を書いている時を、とても楽しいと思っている。
私も、文章を書き終わった時、あの子たちみたいに満足そうな顔をしているのだろう。

齢16の、まだ人生の5分の1も生きていない私にとっての幸せ。
それは、好きなことができて、好きなものについて話せる環境があることだと思う。
お喋りなあの子たちの前では、あまり私の好きな話はできない。
しても、どうせ会話泥棒されてしまうから。
いつか、私の好きなものを受け入れてくれる人と、
互いに同じくらいの話が出来るような人に会いたい。
その人が、私にとっての太陽になってくれるはずだから。

私の日の出は、いつか訪れるだろうか。

マカえん、ワンオク、LUNA SEA。
これらについて、語り合える人はそもそもいるだろうか。


#幸せとは

1/3/2025, 4:22:36 PM

日の出・・・!?
あいにく今日は14時半頃に起きたから、起きた頃にはもう明るかったなぁ・・・
初日の出の時刻も寝てたので見れてないし・・・

でも、日の出ってすごいよね。絶望からの脱却って感じする。だって、地平線が明るくなったらもうすぐに太陽が昇るんでしょう?当たり前なんだけどさ。
つまりね、真っ暗な空→絶望、地平線が明るくなる→運命の出会い、太陽が昇って明るくなる→希望に満ちる・・・的な?
「あなたに出会ったおかげで人生が変わった。」
「あなたに出会えたから、絶望から救われた。」
って感じなのかな?それで、日の入りが死別とか決別とかそういう感じなんだよ。

てことは私は寝て起きたら救われてたんだ。
寝たら色んなことを忘れちゃうからね。私は睡眠に救われてるんだ。ありがと。

1/2/2025, 3:44:36 PM

 今年は、誰かに素直に自分のことを話せるようになりたい。しかし私の相談を、遮らないで受け止めてくれる人は、果たしているだろうか。私の周りの会話泥棒さんたちに、少しお口をチャックしてもらわなければならないな。
 それから、正直に言うと彼氏が欲しい。まだ高校1年生ではあるが、周りの子は皆彼氏がいたり、元彼がいたりするので、劣等感しか感じないのである。
 私から告白する勇気をもつか、告白されるような素敵な人になるか。そのどちらかを目指したいなと思っている。

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