あなたとわたしは同じじゃ無い。
顔も、性格も、育った環境も、好きなもの、嫌いなものもきっと全部ちがう。
もしかしたら、私達は正反対な人間なのかもしれない。
あなたと私は、これから先、別々の人生を歩んでいき、交わることは一度も無いのかもしれない。
私はやっぱりあなたが好き。
どうしようもなく辛くて、苦しくて、怖くて。
そんな現実から逃げ出したくて、無意識に外に出ると、外には、柔らかい雨が降り注いでいた。
まるで、世界が洗われていくようだ。
雨が止むと、大空には七色の虹が架かっていた。
世界には、こんなにもたくさんの色があったんだなあ。
それから、ふと思った。
私の色は、どんな色なのかしら。
人生なんて、ただ真っ暗闇の中で生きてゆくだけだと思っていた。
そんな私にとって、あなたは、暗闇を照らす、一筋の光だった。
あなたが照らしてくれた光が徐々に広がっていき、真っ暗だった私の心が、あなたという光で溢れ、満ちていく。
あなたがいなくなっても、この光はきっと私の心を照らし続ける。
あなたはいつまでも私の太陽。
あなたに出会えたことが何よりの幸運、そして幸福だった。
光、なんて素敵な言葉でしょう。
私は、あなたが残してくれた希望の光に向かって、生きていく。
姿の見えない君へ
秋がもうすぐ去ってゆく。
紅葉、イチョウ、秋の草花、踏んづけるとちょっと臭かった銀杏ですら、無くなると思うと、物悲しい。
人々はこれを、哀愁と呼ぶ。
これから先、何年でも何十年でも、季節が巡るたび、思いだすよ、君のこと。
君と初めて桜を見た春。
君と初めて過ごした夏。
君と初めて見た紅葉。
君と初めて迎える年越し。
私がここに存在するかぎり、君は私と共にいる。
過ぎゆく季節と新しい季節。
その狭間に、君がいるから。
私の隣に君は居ない。でも、そんな寂しさを埋めるくらい、君の残してくれた物は私の人生の宝だった。
君と出会って、この世界が愛おしく思えたよ。
ありがとう。
例え世界が君を忘れても、会うことも触れることも出来なくても、心は君を描くから。
私の心は、いつでも君を描くから。
鏡の中の私は、いつもちがう。
落ち込んだ表情のとき。
嬉しそうな表情のとき。
悲しそうな表情のとき。
疲れているような表情のとき。
幸せそうな表情のとき。
具合が悪そうな表情のとき。
いつも、昨日とはちがう私が映っている。
鏡は、今日の私を映す。
昨日の私は映らない。
朝、鏡の前に立ったら、鏡の中の私に、にっこり笑いかけてみよう。
おはよう、今日の私。今日はどんな姿を映すのかしら。