『永久保証理論(えいきゅうほしょうりろん)』
新学期、君はどうだったかな。
友達と一緒のクラスになれた?それとも別れちゃったかな?
先生は面白かった?
聞きたいことが沢山あります。
一年前、屋上で君を見つけて初めは混乱したよ。
まさか先客がいるなんて、
話しかけたら素っ気ない態度をとられちゃった。今とは大分違うね。
でも、君と打ち解けていくうちに分かったよ。
君の苦しさ、痛み、弱さ、もしかしたらただ分かった気になっただけかもしれないけど
でも、話し初めて一週間。やっと君が笑ってくれたんだ。
君の笑顔を見たとき「こんなに素敵な人を社会ははねのけるんだ」って思った。
それに、ちょっとキザかもしれないけれどその笑顔はダイヤの輝きにも勝ると思ったよ
勉強、どう?やっぱり難しい?
大丈夫だよ。そんなに心配しなくても、君は君らしく「好き」を貫き通せばいいの。
どれだけ勉強が苦手だろうがなんだろうが君の「好き」が本物ならば絶対大丈夫。
あぁ、こうやって話しているうちに他の子達は勉強しているのか。とか思った?
他人と自分を比較するのは悪いことではないよ、だけど、ただ一つ、
「自分を卑屈しないでほしい」
君が自分に自信なくても、僕が持たすよ!なんてね。
君は素敵で、聡明で、多才で、堂々としている。
あ、今また卑屈しようとした?
もう、君が心配することなんて本当にないんだよ。だって僕が君を守るもの。
そんなことを言ってからはや半年。
今日、屋上で君に告白します。
「どうか、どうか、生きていてください。これからも、僕が君を守るから」
お題『これからも、ずっと』
『救命日(きゅうめいび)』
拝啓、君へ
夕日と朝日、真反対。
僕は夕日を見たことがない。
起立性調節障害の反対みたいなことが君にはおきてんだ。
医師にはそう言われた。
君は起立性調節障害なったことある?
辛いよね、皆と同じじゃないって、明確な違いがあるって、
僕、なんにもできないんだ。
勉強も、運動も、顔だってよくない。
「生きてる意味あるの?」
最近親に言われたの。
「お前なんて産まなければよかった」
不思議だよね、親は皆口を揃えて「天使が生まれた」って言うのに。
その天使が今や「堕天使」いや、「悪魔」なんだよ。
苦しいよね、親が味方じゃないとか。
でもさ、それでもさ、辛すぎて死にたいって思ってても、結局体は勝手に
「生きたい」って思ってるの。
それってまだ生きたい!ってことじゃん。ってなんなのさ。
僕が思ってることは死にたいなんだよ。勝手に決めないでよ。
僕はきっとずっとこのまま変われないんだろうな。
そうだ!いいこと思いついた!
僕の代わりに君が夕日を見てきてよ!
僕はには遠い夢だけど、君はできるよ。
そんな物語をノートに描いて黄昏時の教室に今はいます。
ねぇ、せめて明日の日暮れまでには生きてみない?
死にたくなったらまたこれ読みなよ。君の人生少しでも華がつくように。
君が生きてる世界線で黄昏時。待ってます。
僕より
お題『沈む夕日』
※起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)=自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患(朝なかなか起きれない等)。最近患者が急増しています。疲れたらお布団にinしよう。
『病季(びょうき)』
春夏秋冬。
今は春。
外の桜がざわめく頃、
君と初めて出会ったね。
眉目秀麗。
君は僕に一瞬驚いて食べていた桜餅を喉に詰まらせていた。
あれは僕にとっても今世紀最大の喜びだったよ。
でも、これがきっかけだったんだよね。
その時の君の瞳は確か、
桜。だったね。
今は夏。
「海に行こう!」
急にそう言って走り出すもんだから、こけてすりむいちゃったじゃないか。
君はお転婆なのに頭はよくて、授業中よく叩きおこしてくれてたね。
あの花火大会は忘れないなぁ。
「可愛いでしょ!」と自信満々に浴衣姿を見せて来たから、思わず「可愛い」って言っちゃったよ。
その時の君の瞳は確か、
大きな大きな花火。だったね。
今は秋。
もう肌寒い頃なのに君はまだ半袖で、風邪をひいていたっけな。
意地でも半袖を着たい理由が「まだ夏に残っていたい」なんて子供っぽいね。
風邪が治ったら「紅葉狩りに行こう!」だなんて、君はどれだけ僕を振り回すんだい。
でも、そのお誘いは僕を想ってなんだよね。
その時の君の瞳は確か、
紅葉。だったかなぁ。
今は冬。
大雪が降ってきて興奮した君が僕に雪を投げつけてきたね。
「お返しだよ!」って投げ返したら、まさかの雪だるまにされたよね。
クリスマスは一番の思い出。
「クリスマス、デートに行きませんか!!」って君は少し緊張していたなぁ。
デートの前日は緊張してよく眠れなかったや。
その時の君の瞳は確か、
暗闇。
ねぇ、君。僕があの時言った言葉を覚えてる?
「僕を忘れて」
これはちょっとしたお願いに過ぎないんだけどね。
でも、本当はこう言いたかった。
「僕のことを忘れて、幸せに生きて」
僕はクリスマスの前日に死んじゃった。ごめんね。折角のデートだったのに。
でもね、僕はまだ生きてるよ。
君の瞳の中に住んでる。
少し鏡を覗いてみて!僕の笑った顔が見えるでしょう?
僕が景色を見つめていた時、君は僕を見つめていてくれたもんね。ありがとう。
泣きたくなったら、鏡を見て!君の瞳に住んでる僕が君のことを笑かしちゃうぞ。
嗚呼、でもそれだと君は僕を忘れてくれない。
お題『君の目を見つめると』
※眉目秀麗(びもくしゅうれい)=容貌がすぐれ、大変美しい様
『夕星(ゆうづつ)』
星はよく人の心を見通す
何故だと思う?
実は人は星の前では本音がでてしまうから、
ほら、外の星を見てごらん。
君の本音が出てきたろう?
星は一般的に深夜が一番映えると言われるが、何故だと思う?
実は星は人が一番見てくれる時間帯にでてきてくれているんだ。
君は夜に少し寂しくなったことはないかい?
その時に自然と星を見ていたことはないかい?
星はね、君のことを一番よく知っているんだ。
君が一人で泣いていた時も、星だけは君を見ていてくれている。
ところで君は夕星を知っているかい?
夕星はね、名の通り「夕方に現れる星」のことなんだ。
星は深夜に一番現れてくれるね。でも、私は夕方の方が多いと思うんだ。
何故なら君が泣いている時間だから。
涙で歪んで一つの星がだんだん星空に見えてくるね。
でも、いいと思う。
涙は努力の証だから。君がそこまで生きていてくれた証だから。
少し外に出てみよう!今は夕方だけど、きっとよく見えるはず。
今君が見ているのは「星空」かな。それとも「一番星」かな。
一番星でも星空でもどっちでも素敵だね。君はどっちの方がいいかな、
星空、一番星、君のお気に入りはどっち?
お題『星空の下で』
※夕星(ゆうづつ)=夕方、西の方に見える金星
読み……ゆうづつ、ゆうずつ諸説あり
『変化(へんか)』
諦め、虚しさ、安心、憎しみ、それから愛らしさ、
私はこの言葉にそんな感情を感じる。
人は変化なくして進化なし。等と言うが、それは間違いだ。
人はそもそも変化していないのだ、
これは一千億年前から今に至るまで、全てに言えることである。
人は努力をする。ただひたすら生きるために、
人は挫折する。越えられない壁を知り、
人は成長する。それはまるでつくしのように、
君はこれを変化と呼ぶかい?
君はこれを進化と呼ぶかい?
私に至ってはそれを万古不易と呼ぶ。
みなどれだけ外がようなろうとも、
みなどれだけ内が腐れようとも、
それは変わっていないのだ、
元からあったものなのだ、
いいかい?
誰に何を言われようとも、君は変わってなどいない。
犯罪に手を染めようとも、君は変わってなどいない。
生命線を自ら切ろうとも、君は変わってなどいない。
自信をもて!少年少女よ!
その右手にもった旗を降れ
大丈夫だ。
君は君のままで、
私も私のまま、
誰も変わって等いないのだよ。
安心しろ。
明日生きるのが怖くとも、
今日眠るのが怖くとも、
学校に行くのが怖くとも、
安心しろ。
君は君で変わっていないよ。とっても素敵だ。
服装はちゃんとしているかい?髪型は、バッチリだね。
香水でもつけてあげようかい?嗚呼、でも君の匂いが一番素敵だ。
心配しなくていい。私がついているよ。
それじゃあ、行ってらっしゃい。
お題『それでいい』
※旗=z旗(勝利の旗)
※万古不易(ばんこふえい)=いつまでも変わらないもの