織川ゑトウ

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『救命日(きゅうめいび)』

拝啓、君へ

夕日と朝日、真反対。
僕は夕日を見たことがない。
起立性調節障害の反対みたいなことが君にはおきてんだ。
医師にはそう言われた。
君は起立性調節障害なったことある?
辛いよね、皆と同じじゃないって、明確な違いがあるって、
僕、なんにもできないんだ。
勉強も、運動も、顔だってよくない。

「生きてる意味あるの?」

最近親に言われたの。
「お前なんて産まなければよかった」
不思議だよね、親は皆口を揃えて「天使が生まれた」って言うのに。
その天使が今や「堕天使」いや、「悪魔」なんだよ。

苦しいよね、親が味方じゃないとか。
でもさ、それでもさ、辛すぎて死にたいって思ってても、結局体は勝手に
「生きたい」って思ってるの。
それってまだ生きたい!ってことじゃん。ってなんなのさ。
僕が思ってることは死にたいなんだよ。勝手に決めないでよ。

僕はきっとずっとこのまま変われないんだろうな。
そうだ!いいこと思いついた!
僕の代わりに君が夕日を見てきてよ!
僕はには遠い夢だけど、君はできるよ。

そんな物語をノートに描いて黄昏時の教室に今はいます。
ねぇ、せめて明日の日暮れまでには生きてみない?
死にたくなったらまたこれ読みなよ。君の人生少しでも華がつくように。
君が生きてる世界線で黄昏時。待ってます。

                           僕より


お題『沈む夕日』

※起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)=自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患(朝なかなか起きれない等)。最近患者が急増しています。疲れたらお布団にinしよう。


4/7/2023, 1:01:08 PM