せつか

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9/28/2025, 11:01:10 AM

たとえば誰かが誰かの一生を書き記したら、それは記録となって残り続ける。
写真に撮っておく。
音声を録音しておく。
書き記しておく。
誰かに伝える。
その行為は消えてしまうであろうものを残しておきたいという、人の祈りのようなものなのだろう。
何千年も昔の神話が残っているのも、ほんの十数年前のマッチ箱や包装紙を集めたいと思うのも、気持ちとしては似ているのかもしれない。

生きた証を、永遠に。

忘れ去られてしまうのは二度目の死に繋がるという。
二度目の死を迎えない為に、永遠なんてないけれど、人は記録をし続けるのだ。


END



「永遠なんて、ないけれど」

9/27/2025, 3:45:30 PM

最後に泣いたのはいつだったか。
あまりに昔のことで忘れてしまった。
いつ泣いたのかも、なぜ泣いたのかも、もう思い出せないほど遠い昔のことだ。
いつから泣けなくなったのか。
いつから泣かなくなったのか。
泣いても何も解決しないと思い知ったからか。
泣いたところで疲れるだけだと分かったからか。
今もし私が涙を流したところで、目にゴミが入っただけとか、目が痒くなっただけとか、その程度に思われるだろう。
人目も憚らず泣けるほど豊かな感情は、もうどこかに置き忘れてしまって、乾いた砂のような自分が取り残された。


END


「涙の理由」

9/26/2025, 4:05:52 PM

今思いついたネタを書いておかなきゃ!!
の気持ちであらゆる話は始まっている。
(私にとって二次創作とはそういうもの)


END


「コーヒーが冷めないうちに」

9/25/2025, 4:08:51 PM

ハローハロー、異世界の私。聞こえますか?
こちらの私は不惑の時を過ぎ、ようやく自分というものが分かってきまさした。

ハローハロー、異世界の私。そちらはどうですか?
いじめはありますか。
差別はありますか。
病気はありますか。
貧困はありますか。
戦争はありますか。
生きるに値する世界ですか。

ハローハロー、異世界の私。
あなたは諦念と虚無に満たされてはいませんか?
ハローハロー、異世界の私。
もしそちらが素敵な世界なら·····、
私もそちらへ行っていいですか。


END


「パラレルワールド」

9/24/2025, 2:47:30 PM

秒針が分針と重なって、分針が時針と重なる。
たまたま見上げた時計がそうなっているとちょっとラッキーな気がする。
全部がぴったり重なる瞬間は一日に八回?
でも重なったと思ったらすぐに離れるのはなんだか人の心にも似ている。
ユニゾンじゃないけど、息がぴったりあって上手くいったと思ったら、ふとしたことがきっかけで何もかもが気に食わない、って状況になったり。
よく考えたら全く違う赤の他人の、人生という時計がたまたまその時重なっただけなんだなぁ。


END


「時計の針が重なって」

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