せつか

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9/5/2025, 3:29:51 PM

赤黄青の三色を思い出すか、トントントンツートントンの音を思い出すか、ネットミームになったハンドサインを思い出すか。

アイドルかアニメのキャラかゲームのキャラで、信号機トリオってあったから私はどうしても赤黄青の三色を思い出す。
今ハマってる漫画にいるトリオも信号機カラーだしね!因みに私の推しは黄色です。


END


「信号」

9/4/2025, 3:19:47 PM

お前を英雄と称える事は絶対に無い。
お前とワタシが分かり合える事は絶対に有り得ない。
お前に許されたいとも思っていない。
お前がワタシを許すとも思っていない。

他に方法が無かったのか。多分あったのだろう。
そんなに俺が怖いのか。怖くないわけがないだろう。
自分が消えると分かっていながら、それを受け入れるだけの強靭な精神を、一体どれだけの人が持っているのか。

アンタはそれでいいのか。
瞬間、交わされた瞳が無言の内に訴える。
質問には答えない。
いつかお前が寄越した言葉だ。
ワタシはこの生き方しか知らず、他の生き方を知らない。お前のようにはなれない。
お前になら殺されても仕方ない。心の底からそう思う。この身を引き裂いて、海にバラ撒いて、最後に唾でも吐いてくれ。

ワタシの望みは叶うことなく、言い出せなかった言葉は胸の奥に押し込められる。

「すまなかった」

届くことの無い言葉は青い海にポチャンと落ちた。


END



「言い出せなかった「」」

9/3/2025, 1:28:44 PM

この恋は知られてはならない。
この恋は叶えられてはならない。
この恋は地獄まで持っていかなければならない。

私は恋をしている。
私は崇拝している。
私は·····狂っている。

あの方の信頼を裏切ってはならない。
あの方の期待に応えねばならない。
あの方を汚してはならない。

あの方は誰かのものであってはならない。
あの方の羽根をもいではならない。
あの方の顔を曇らせてはならない。

私は

あの方を



「××××××氏の死亡を確認しました」

「ご苦労様」

「馬鹿だねぇ·····。こんな姿になって」

小さな小さな粉になった私は、その時ようやく永遠にあの方のお傍にいられる権利を得た。
あぁ、こんな幸福があるだろうか!!!


END


「secret love」

9/2/2025, 4:20:21 PM

大好きなミステリー小説。
ページをめくる手が止まらない。
早く早く、続きが読みたい。

資格試験の参考書。
1ページめくるたび、眠気が襲ってくる。
ウトウト、カクン。ノートはぐちゃぐちゃ。

同じ日本語で書かれていて、読める筈なんだけどねえ。


END


「ページをめくる」

9/1/2025, 3:14:17 PM

一面ひまわりが咲き誇るなかを、一人歩いている。
人より背の高い自分にとって、その花は他の花と同じ見下ろすもので、綺麗だなとは思うが特別何か感慨が湧くものでもなかった。
――何かを探していた気がする。
ひまわり畑の中に何かを忘れてしまった気がして、歩き続けている。そのうち日が傾いて、辺りがオレンジに染まり始めた。

探し物は見つからない。
そもそも何を探していたのか。何を忘れてしまったのか。夕日が沈み、夜になってもひまわり畑の中をたった一人、歩いている。
夜のひまわり畑は少し不気味だ。
無数の目が自分を見つめている気がする。
こんな暗いなかで探し物なんか見つかるわけがない。
なのにいつまでもいつまでも、歩き続けている。

夜が明けた。
朝日がひまわりを照らしている。
金色の光は泣きたくなるほど神々しくて、温かい。
ひまわりが伸びている気がする。
膝あたりまでしか無かった筈の背丈が、胸のあたりにまで伸びていた。探し物は見つからない。忘れ物は思い出せない。

歩いているうちに、ひまわりが伸びたのではなく自分が小さくなっているのだと気付いた。
自分より背の高いひまわりが、自分を見下ろしている。怖くなって、歩くスピードを早めた。
迷路のようなひまわり畑を、たった一人走っている。何を忘れたか思い出せない自分を、何を探しているか分からなくなっている自分を、無数の目が咎めているようだった。

――怖い。
涙が滲んで、黄色の世界がぼやけてくる。
少し開けたところに出ると、小さな子供の背中が見えた。
「あ、やっと来た」
子供が振り向く。ひまわりの花を両手に抱えている。
「――」
振り向いた子供の顔は、ぽっかりと穴が空いて真っ黒だ。
「探し物、見つかった?」
真っ黒な穴から声がする。
小さく首を振ると「そっか」と少し残念そうに答えた。

「忘れてきた物が多過ぎて、何が大切な物だったか分からなくなっちゃったんだね」

真っ黒な穴は、いつの間にか子供の頃の自分の顔になっていた。
「大丈夫だよぉ」
子供の頃の自分がニコリと微笑む。
「君が血に塗れても、世界中が君の事を咎めても、絶対君の味方でいてくれる人がいるから」
子供の自分が指をさす。
その指が指し示す、その先――。
「だからちゃんと、好きだよって言うんだよ」

「探したぞ、××××××」
誰よりも大切な〝君〟がいた。


END



「夏の忘れ物を探しに」

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