せつか

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4/27/2024, 4:15:30 PM

そんなもの無いよ。
ケラケラと楽しそうに男は言った。
意味だの価値だの、そんなもの無くたって人は生きているし生きていける。意味の無い生は許されないというなら、それはとんだ傲慢だよ。
男の言葉は真理を突いている。
そんなものを声高に求めたり、したり顔で語れるのは恵まれている証拠だ。
生きる意味なんてものはね、死んだ後に誰かが勝手に見つけるものなんだよ。
それはそうなのかもしれない。
ただ、自分の生に意味や価値が見い出せないと、人は不安になるのだろうね。
男の声には微かな憐憫が滲んでいる。
その声を聞きながら私は、死ねない男の生に意味を見い出す誰かはいるのだろうかと、そんな事を思った。

END

「生きる意味」

4/26/2024, 2:35:41 PM

この言葉ほど境界線が曖昧なものはない。
時代によって、環境によって、宗教によってこの線は様々に変化する。

他者の命を奪うという、究極の行為でさえ許される場合と許されない場合があるのは、つまりそういうことなのだろう。
でもそれが悪いことだとは思わない。
人間はそうして数え切れないほどの線を引いて、秩序を、社会を、守ろうとする。
その矛盾が、そのどうしようもなさが、善と悪が場合によっては反転するその曖昧さが、人間という生き物なのだろう。

なんて、偉ぶって言ってみたけど、命を奪わずにいられるならその方がいいし、何かを傷付けずにいられるならその方がいいと思うのは、偽善なのかな。

END

「善悪」

4/25/2024, 2:30:16 PM

「あぁ、また·····」
軌道を外れていく姿を見つけ、呟いた。
青い星の大気に引かれて、同胞の命が燃え尽きようとしている。
自らの体に火をつけて、宇宙で一番美しい星を少しでも近くで見ようとぐんぐんスピードを上げて、彼は堕ちていく。ワタシはその様をただ見ていることしか出来ない。

大気圏に突入した彼は、少しずつその身を削っている頃だろう。間近に見る青い星は、彼の目にどう映るのか。ボロボロになりながら、それでも青い星に根付く命に瞳を輝かせているのだろうか。

ワタシには分からない。
同胞達が美しいという青い星が、ワタシの目にはちっとも美しく見えないからだ。
みんな何故、あんなにもあの星に惹かれるのだろう?
水と生命に満ちている、それがそんなに尊いものなのだろうか?
あの青い星の、最も知能が高いという生命体は燃え尽きようとしている同胞の姿に願い事をするという。
お金が欲しいとか、恋人が出来ますようにとか、ワタシには何のことだかさっぱり分からないけれど。消えていくものに願ったところで叶うはずがないのに。

青い星に惹かれて、体中に炎をまといながら堕ちていく同胞達。
その姿を見送りながら、青い星を横目に見ながら、ワタシは軌道を外れることなく旅を続ける。

「さようなら」
もう跡形もなく消えてしまったであろう彼。
次に見るのはまた何十年か後になるであろう青い星。
ワタシは絶対、あの星に惹かれて堕ちたりなんかしない。

END

「流れ星に願いを」

4/24/2024, 11:15:06 AM

規則を守る事は秩序の維持に必要な事だと思う。
理由があって定められた筈だから、その規則を守った方が物事が円滑に進むのだろう。ブラック校則みたいに理由が無い、分からない規則は改められるべきだと思うけれど、守る事に窮屈さを感じないルールなら、守って損は無い気がする。
社会人になって、ブラック校則より厄介だと思うのは、会社の社則とかじゃなく、同僚や先輩が勝手に作った〝マイルール〟だと思う。

END


「ルール」

4/23/2024, 1:51:23 PM

近年稀に見るくらいのどんより気分。

仕事でちょっとやらかして、相手に申し訳ない気持ちと最近上手くいってたのに、という悔しい気持ちでぐっちゃぐちゃ。
挙げ句自分で自分の首を締める結果になって、明日以降の仕事が少しやりにくくなった。
おまけにもう一つモヤモヤが発生して、失望と諦めも混ざりあってる。
叫びたい衝動をこらえてやけ食いして、なんとか明日に繋げようとたい焼きを飲み込んだ。

気持ちを切り替えるにはもう少し時間がかかりそう。

END


「今日の心模様」

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