赤に止まるたび
君と肩が触れそうで 触れなくて
沈黙の中 胸だけが騒いでいた
青に変わると 並んで歩けるのに
どちらも言葉を渡せなくて
足音だけが 同じリズムを刻んでいた
黄色の灯りに追われるように
小さな勇気も 置き去りにしてしまう
もし君も同じ気持ちなら
今すぐにでも 立ち止まりたいのに
信号が色を変えるたび
行き先を選ぶように
私たちの心も
ただ迷い続けている
あなたの隣で笑う彼女を見た瞬間
胸の奥がきしんだ
振られたあの日
「大丈夫」なんて思ったのは嘘だった
忘れられるなんて ただの強がりだった
交わらない視線
すれ違う声
それでも心はまだ
あなたを追いかけてしまう
もし あの言葉が本物だったなら
もし あの時 違う答えをくれていたなら
未来は変わっていたのかな
何度も飲み込んだはずなのに
こみ上げてくるたったひとこと
――嫌だ。
放課後の校庭で
君を遠くから見るだけ
笑顔ひとつで心が揺れる
でも言えない、まだ言えない
教科書の隙間に
そっと書いた名前
誰にも見せられないけど
胸の中ではいつも君といる
放課後の風が
髪を揺らして通り過ぎる
秘密のままの恋だけど
それが今は、宝物
期末テストが終わったのが幸福
春
桜の下で交わした言葉
やがて散る花びらのように
君との約束は空へ溶け
静かにページは閉じられた
夏
蝉時雨に包まれながら
残された想いは熱を帯び
眩しい陽射しの向こうに
君の影を探していた
秋
落ち葉が舞い 道を覆い
すれ違う風に 名前を呼ぶ
赤く染まる夕空に
未練の色がにじんでいた
冬
白い吐息に隠された言葉
届かぬ想いは雪に埋もれ
それでも灯る街の光が
君との未来を示していた
そして一年の物語を閉じ
私は次のページをめくる
そこには再会の春が
新たな始まりを描いていた
海沿いの道を歩けば
潮風がまだ あの日の匂いを運んでくる
君と並んで笑った声も
波のしぶきにまぎれて かすかに響いた
祭りの夜
ラムネの栓を抜く音が
星の下で弾けたとき
君の横顔が 夢よりも近くにあった
浴衣の袖が触れた一瞬に
胸の鼓動は 花火よりも早く打ち
それでも言葉にできなかった想いは
夜空に溶けて 煙のように消えていった
いま探しているのは
失くしたものではなく
置き去りにした勇気かもしれない
夏はもう 遠ざかっていくけれど
君と過ごした光の粒だけは
どこかでまだ
私を待っている気がする
だから今日も
潮風の中に耳を澄まし
祭りの残り香を胸に吸い込み
夏の忘れ物を そっと探し続けている
期末テスト明日もあるけど、勉強してない…
副教科は社会に出て使うのだろうか