みけねこ

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10/24/2023, 1:04:55 PM

行かないで
一寸先も見えない、真っ暗な闇の中。
私の周りに数人の人がいた。
とりあえず一人でないことに安心してほっと息をつく。
ークスクス、ケラケラー
しかし、その数人が私を見て笑っていることに気づく。
顔は見えず、笑った口元だけがなぜかはっきり見えた。
一人、また一人と私の元から去っていく。

「・・・っ行かないで!」

手を伸ばしたところで目が覚めた。
いつもの天井、いつものベッド。そしてー
「うなされてたけど、大丈夫?」
君が私の伸ばした手を握ってくれる。
その手の温かさが、私を現実に戻らせてくれる。

ー私は一人じゃない。今日も君が隣にいる、と。

前回の目が覚めるとの続編です。前にも似たような話書いてますが、違う人物設定にしていて続編ではないのですが紹介だけ。私だけって作品です。(みけねこ)

10/23/2023, 11:52:38 AM

どこまでも続く青い空
澄んだ空気には、なんとなく冷たさが混じっていた。
どこまでも青い空は雲一つなく、ずっと遠くの山まで続いていた。
こんなに綺麗な空を見ていたら、それまでの不安や恐怖や孤独感なんか全部無くなって。
どっしりと重たかった物を全部、背中から下ろして。
白い翼をはやし、青い空をどこまでも、飛べる気がした。

10/22/2023, 12:03:54 PM

衣替え
「寒くなってきちゃった!残りの冬物も出しちゃいましょ。クリーニングから帰って来たのもまだあったはずだから」
クローゼットをガサゴソして、ママさんは冬物を出していく。
セーターなどの毛糸の服。コートなどの防寒着・・・
最後にモコモコした長〜いマフラーをポイっと放り投げて、それぞれ誰の物かや用途によって仕分けていく。
長〜いマフラーはちょうど円を描くように丸まっていたため、私は我慢出来ずにその上に丸まった。
「あらあら。ここで寝ちゃったらダメじゃない。毛がついちゃうでしょ、猫さん」
私を見てママさんが言う。しかしため息をついて、諦めたようだった。
あぁ、なぜ冬は寒いのにモコモコとふわふわであったかいのだろうか?
自分もモコモコなのには目をつぶり、私は昼寝を堪能した。

前回の日差しの続編です。(みけねこ)

10/21/2023, 12:23:51 PM

声が枯れるまで
愛しい人を失った。
葬式の日は雨が降り出し、涙雨だと誰かが言った。
化粧をしなくても、白くて綺麗だったその人は、
小さな小さな白い骨だけになって、骨壷に収まった。
小さな君を抱きしめながら、雨の中君の名を叫ぶ。
雨で服がずぶ濡れになって、重くなっても、
雨なのか、涙なのかわからない雫が顔を濡らしても、
ついには声が枯れて、出せなくなっても。
何度も、何度も、何度も、君の名を叫んだ。

いつか時が悲しみを癒すだろう、と誰かが言った。

悲しみが思い出に変わるまで、君の名を呼び続けるよ。

最後 声が枯れるまでー・・・

10/21/2023, 12:53:45 AM

始まりはいつも
何かを始める時はいつも、どきどきする。

それは不安だったり、楽しみのどきどきだ。

自分で選んだこの道の先には何が待っている?

どきどきと胸躍らせ、新しい世界に、いざ 飛び込んだ。

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