声が枯れるまで
愛しい人を失った。
葬式の日は雨が降り出し、涙雨だと誰かが言った。
化粧をしなくても、白くて綺麗だったその人は、
小さな小さな白い骨だけになって、骨壷に収まった。
小さな君を抱きしめながら、雨の中君の名を叫ぶ。
雨で服がずぶ濡れになって、重くなっても、
雨なのか、涙なのかわからない雫が顔を濡らしても、
ついには声が枯れて、出せなくなっても。
何度も、何度も、何度も、君の名を叫んだ。
いつか時が悲しみを癒すだろう、と誰かが言った。
悲しみが思い出に変わるまで、君の名を呼び続けるよ。
最後 声が枯れるまでー・・・
10/21/2023, 12:23:51 PM